中央大学/大学院|国際協力が学べる大学・大学院

グローバルキャンパスで実践的な学びを

 中央大学の緑豊かで広大なメインキャンパスは多摩モノレールの駅と直結している。改札口を出たすぐ脇には、同時通訳失のある国際会議場が入るグローバル館や留学生と日本人学生が共同生活をしたり外国人研究者が滞在したりする300人収容の国際教育寮が建ち、ごろーばるキャンパスのシンボルになっている。

 この多摩キャンパスにある学部や研究科の多くはグローバルな視野を養成する取り組みをしている。途上国の開発に焦点を当てているのは、経済学部に設置されている「経済開発クラスター」というプログラムである。ここでは、途上国の貧困と格差、農業開発と工業化、社会開発(教育、保健・衛生、ジェンダー)、環境問題、SDGs、BOPビジネス/ソーシャル・ビジネスといったテーマを国際開発論、国際協力論、アジア経済論、アジア経営論、開発金融論、開発と環境などの科目を通して、経済学をベースにしつつ、学際的なアプローチからも学ぶことができる。経済開発クラスター演習や特殊講義では、途上国開発の実践的な学びの機会を提供している。

 中央大学には、さまざまな学部の学生が集まって学ぶことのできる「ファカルティリンゲージ・プログラム(FLP)」という学部横断的なプログラムも用意されている。その中の1つ、「FLP国際協力プログラム」では「経済開発」「社会開発」「国際協力」などの視点から途上国開発を総合的に研究し、演習科目ではアジア途上諸国で現地調査を実施している。

わが大学が目指す2030年

 緑に恵まれたキャンパスに立地している中央大学は、環境問題に敏感で、それを強く意識して教育・研究を行っています。経済学部の場合、「環境クラスター」というプログラムもあり、環境経済学、環境政策、地球環境論、環境科学、公共経済学、国際公共政策、開発と環境、資源論などの環境関連の科目を多数提供し、それらの中で気候変動や脱炭素・カーボンニュートラルを扱っています。2022年前期、日本鉄鋼連盟に勤務する卒業生を招き「カーボンニュートラルに向けた国際協力‐日本鉄鋼業の事例‐」と題した公開特別授業を行い、意識を高めました。このようにしてSDGsの環境分野の目標達成、カーボンニュートラルの実現を目指していくことの必要性を伝え、環境人材の育成に努めています。

海外調査活動を学生自ら計画・実行

林光洋先生(経済学部教授 開発経済学。現在はアジア途上諸国における貧困と所得格差を研究。)

林光洋先生(経済学部教授 開発経済学。現在はアジア途上諸国における貧困と所得格差を研究。)

 経済学部の林ゼミとFLP国際協力プログラムの林ゼミは一緒に活動しています。援助機関・団体、企業から専門家を招いて講義や指導を受けています。3年次の1年間、調査対象国/テーマの決定から研究計画の作成、アポ取り、交通・宿泊の手配、2週間の現地調査の実施、英語論文の執筆まですべてを学生が行います。この研究プロジェクトの結果や経験を、高校を訪ね生徒たちに授業で伝えています。フェアトレードの普及活動や日本ユニセフ協会との合同プロジェクトも実施しています。卒業生は、国連、外務省、国際協力機構(JICA)、海外協力隊、NGO、商社、海外の大学院などへ進み、国際協力の分野で活躍しています。

使って!この授業・この制度

 央大学独特の、学部の垣根を越えた教育制度「ファカルティリンゲージ・プログラム(FLP)」の中の1つ、「FLP国際協力プログラム」では、JICAの協力を得て、JICA職員を客員教員として招き、ゼミを担当してもらっています。このプログラムでは、JICAからの客員教員をはじめ常時10人前後の教員のゼミを開講し、そこに異なった学部の学生が集まり、複合的な視点が求められる途上国開発や国際協力の問題について議論しあい、学びあうことのできる場を提供。すべてのゼミがアジア途上諸国で現地調査を実施し、年末にはその成果をプレゼンテーションしています。

学生(卒業生)の声

ゼミでの学びを活かしインド農村地域で太陽光発電を推進

山田 晃一さん(経済学部 国際経済学科 2009年3月卒業。 三井物産株式会社プロジェクト本部所属(現在、OMCPower社(インド)にCFAO(最高財務兼総務責任者)として出向中)

山田 晃一さん(経済学部 国際経済学科 2009年3月卒業。 三井物産株式会社プロジェクト本部所属(現在、OMCPower社(インド)にCFAO(最高財務兼総務責任者)として出向中)

 中央大学入学後、米国一人旅をした際、大きな格差を目の当たりにしたため、帰国後に開発経済学を学びたいと思い林光洋ゼミに入りました。同ゼミは例年2週間の海外現地調査を行っており、私の代はフィリピンでADB、フィリピン政府、民間企業、NGOs等を訪問し、途上国の実態や開発の促進・阻害要因等について調査しました。通常の授業ではアマルティア・センやジェフリー・サックスなど、多くの文献を輪読し、開発経済学を体系的に学ぶことができました。大学の経理研究所にも所属し簿記1級を取得するなど幅広く勉強でき、今でも業務の土台となっています。

OMCPower本社で経営陣と共に

 卒業後の2009年4月、三井物産株式会社に入社しました。経理部、中東修業生を経て2014年よりプロジェクト本部に所属し、19年よりインドOMC Power社に出向しています。ゼミなどで学んだことを活かしながら、インド北部の電力供給が脆弱な地域で太陽光等の分散型電源・グリッド事業を通じて電力の地産地消を進めています。現在280か所、26,000世帯超の顧客に電力を供給しており、今後も規模をさらに拡大していきたいと思っています。

インドUP州で現場のスタッフさんたちと共に

学校データ

・名称:中央大学/大学院
・取得可能な学位 :学士、修士、博士
・定員:学部・研究科によって異なるため、ホームページをご確認ください。
・学費:学部・研究科によって異なるため、ホームページをご確認ください。
・奨学金制度:日本学生支援機構、地方自治体、民間団体などの奨学金の他、大学独自の奨学金あり
・所在地:〒192-0393 東京都八王子市東中野742-1(多摩キャンパス)
・Mail:ホームページの「お問い合わせ」フォームから問い合わせが可能

『国際協力キャリアガイド22-23』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

キャリア相談をする

タイトルとURLをコピーしました