2021年国際協力キャリアガイド:神戸情報大学院大学

 

学校紹介
「神戸情報大学院大学 情報技術研究科」
神戸情報大学院大学(KIC)は、社会インフラとしての情報システム構築の中核を担う高度な情報通信技術(ICT)技術者を育成する専門職大学院として、2005年に開学した。当初は高い実務能力を有するICTエンジニア養成のための「ICTプロフェッショナルコース」(4月入学・日本語授業)のみでスタートしたが、2013年にはICTを活用した途上国の課題解決と国際協力を学ぶ「ICTイノベータコース」(10月入学・英語授業)を開設。国際協力機構(JICA)の短期研修も含めて、これまで70の国・地域から留学生たちを受け入れている。両コースの授業を取ることができるため、日本にいながらアフリカ、中東、アジアからの多数の留学生と共に学び、国際感覚を磨くことができる。KICの教育は、独自の「探究実践プログラム」により、あらゆる産業領域での課題解決と価値創造に必要なまなざし、思考力、行動する力を養い、高度ICT人材としての土台を築くことを目指している。技術だけを追い求めるのではなく、社会課題にフォーカスしているのが最大の特徴。分野にとらわれずに自ら課題発見し解決策を練り上げることを通して、実践力やリーダーシップを身に付けていく。学生は、さまざまな国籍、年齢、キャリアを持つ人が多い。ICT実務経験の有無や出身学部などにかかわらず、入学直後にまずは基礎的な知識・スキルを学んでからICTの専門知識や課題解決力を養っていくので未経験でも安心だ。少人数制で手厚いサポートをしてくれる教師陣は、企業でのシステム開発やプロジェクトマネジメント、ICT4D(国際開発のためのICT)など、豊かな実践経験を持つ実務家が中心となる

 

 

先生に聞きました!

副学長 内藤 智之先生


本学が目指すのは、ICTを利活用して社会課題を解決する人材を育成し、輩出すること。現在、世界は新型コロナウイルス感染症という社会課題に直面していますが、デジタル技術を使って感染を抑制できたかというと、残念ながらうまく対応できていません。こうした事例をはじめ途上国の社会課題にICTで対峙していくため単に技術だけではなく、さまざまな事例を比較して社会的背景も踏まえながら活用方法を学べるのが本学の特徴です。例えばセンサーを使って何ができるか、どうシステムを組むか、AI(人工知能)の技術で何をどう解析できるかなど、社会課題解決への計画を立て、アプローチを考え、技術を選択し、プログラミングするという段階それぞれを専門とする教員がそろっているのも強みです。留学生が多いので、共に学ぶことで、お互いに大いなる刺激があると感じています。自分の国をなんとかしたいという思いを持つ留学生と日本人学生の間で化学反応が生まれ、一緒に会社を立ち上げるような流れが生まれれば理想的、と期待しています。


学生さんに聞きました!

ICTプロフェッショナルコース2年 吉田 泉さん
大学時代に緊急援助NGOの講演で、人の命を救う仕事は医師などの一部の職種だけでなく物資や資金の調達といった側面からも支えられることを知り、国際協力の仕事をしたいと思うように。マラリア予防蚊帳を製造するメーカーに勤務後、海外協力隊としてセネガルに赴任。帰国後、水分野の開発コンサルティング企業でプロジェクト管理などをする中で、流量計に通信機能を組み込む技術を耳にし、国際協力へのICTの活用に興味を持つようになりました。本学は法律関係、教育、農業など、思った以上に多様なバックグラウンドの学生が多く、かつ留学生も多いので、普段の授業もですが、ジンバブエの妊産婦向けのIoTベルトを作るプロジェクトを構想した時のグループディスカッションはとても刺激的でした。
私の研究テーマは、セネガルの農村の人々を対象にした、公用語のフランス語の学習ができるアプリの作成。農村と都市の教育格差が大きいと肌で感じ、字が読めれば農業に関するアプリやモバイルバンキングを使えるようになるので、 課題解決につながると思っています。プログラミングは初心者でしたが、基礎から学ぶ授業はわかりやすく、自力でできるようになってきました。ICTの専門性を付ければ社会のさまざまな分野に関わることができるので、すべてが自分の守備範囲になります。修了後もICTスキルを磨き続けて、開発途上国の貧困や人権に関する課題解決に役立てていきたいです。
 
(本内容は、取材当時の情報です)

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

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