2021年国際協力キャリアガイド:東京医科歯科大学大学院

 

学校紹介
「東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 医歯理工保健学専攻 グローバルヘルスリーダー養成コース」
「日本初の歯科医学教育機関として、1928年、学問と教育の聖地・湯島に誕生した東京医科歯科大学。医療技術が日進月歩で進化を遂げる中、医歯学教育・研究のパイオニアとして優秀な医療人材をこれまで多数輩出してきた。文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業にも採択された同大学の「グローバルヘルス推進人材育成構想」に基づき、現在、地球規模の保健医療課題に立ち向かえるリーダーの育成に注力しており、日本の保健医療分野の経験・実績を踏まえて、世界中の人々の健康レベルの向上を目指している。社会科学などさまざまな学問を連携させる「集学的アプローチ」を重視すべく、2018年度に大学院研究科の改組を実施。全学横断的に研究を行う体制を整備し、英国の評価機関が発表する大学ランキングでも高評価を得ている。この組織改組に伴い誕生したのが、公衆衛生学修士号(MPH)が取得できるグローバルヘルスリーダー養成コースだ。同コースには、充実した学びの場を求めて世界中から留学生が入学している。生物統計学、疫学、行動科学、環境保健、保健システム・マネジメントの5項目に加え、「グローバルヘルス」「健康の社会的決定要因」「ライフコース疫学」の3分野を学ぶことができる。講義はすべて英語で行われ、英語を母国語としない学生には、TOEFLiBTスコア80点以上、またはIELTSスコア6・5以上が求められる。1年次は講義、演習を学内で受講し、2年次は海外を含む現場でフィールドワークに従事する。eラーニングでの受講も可能で、社会人や仕事を持つ学生にも学ぶ機会を提供。医学的バックグラウンドを持たない人の入学も可能だ。

 

先生に聞きました!

大学院医歯学総合研究科 教授 藤原 武男先生


新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的流行)下にあって、本学の「グローバルヘルスリーダー養成コース」で取得できるグローバル健康医学(MPH)の学位は、まさに今、世界で求められているものだといえます。グローバルヘルスとは、公衆衛生や疫学を基礎として統計学や医学、看護学、心理学、社会学などの複合的な視点で課題解決スキルを育成する学問です。本コースでは、日本の大学にありがちな座学中心の教育に代わって、徹底したケーススタディーに力点を置いています。修士論文執筆時は、1年次から専属アドバイザーのサポートが受けられ、開発途上国でのフィールドワーク調査や国際機関でのインターンシップの機会も用意しています。学生はアジアや中東、アフリカや中南米など、さまざまな国からの留学生が半数以上を占め、コロナ禍にあってもeラーニングやオンラインなどを通じて学び続けています。世界中から優秀な人材が集まる本コースに、日本の志ある若者にもぜひ挑戦してほしいと思います。


学生さんに聞きました!

医歯学総合研究科 医歯理工保健学専攻 グローバルヘルスリーダー養成コース修士課程2年 若井 向日葵さん

幼い頃から健康や医学に関心があり、臨床現場で貢献する選択肢も考えましたが、予防可能な病気を防ぎ、皆が健康を享受できる環境・社会づくりに貢献したいと考えるようになり、公衆衛生の道を志すようになりました。同時に海外にも関心があり、海外経験を積んでグローバルな視点を持ちたいとも考える中で、公衆衛生や予防医学は医学のバックグラウンドがない人でも大学院で学べると知り、大学ではまず国際的な視点を身に付けようと公共政策について学びました。現在の指導教官の藤原先生が、私自身が興味を持つ「子どもの貧困と健康」という分野に注力されていることを知り、相談をさせていただき入学しました。学生は医療関係者や製薬会社の方などの留学生が主体で、日本人は少数派です。学部時代に米国やベトナムに行く機会があり、各国の健康問題を目の当たりにし、一つの国にとらわれずにグローバルな視点を持って課題解決していく能力が必要だと痛感したので、院でのディスカッションなどを通じて、その国の現場を知っている人だからわかる課題や視点を教えてもらい、刺激を受けています。日本にいながら国や分野を越えて、多様なバックグラウンドを持つ同級生と共に学べる点が、このコースの魅力です。修了後は医療機器メーカーに就職します。ビジネスと公衆衛生の両方の視点を持ち、グローバルに医療課題に対応していける人材になるのが直近の目標です。
 
(本内容は、取材当時の情報です)

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

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