「東洋英和女学院大学大学院 国際協力研究科」
も履修可能な他、早稲田大学大学院社会科学研究科との単位互換制度も用意。同研究科で習得した単位は、修了に必要な単位として認定される(上限10単位)。修了後の進路は国際協力NGOや政府機関、国際機関、民間企業など多様だ。
先生に聞きました!
国際協力研究科 教授 河野 毅先生
私が担当する「国際機構特論」の主なテーマは国連です。国連は世界政府ではありません。ただ、国際的な方針を決める「場」として実力を発揮します。そこに集うのは加盟国、国連職員、各分野の専門家など市民社会の三者です。この三者が集まってこそ国際条約の策定が可能になります。授業では、世界の課題解決を目指す「国連」について、その限界や可能性を学びます。本学の学生は、国際公務員を目指す人や民間企業に勤める人など、実に多彩です。例えば、在留外国人患者への対応に課題を見つけた元看護師の学生は、社会調査の手法の他、地域や自治体、出入国管理法など背景にある諸問題を本学で学び、現在、医療面での多文化共生を目指し活動しています。多種多様な学生たちに対応できるのは、本学の教員の経歴、研究分野が幅広く、全員が実務と研究、両方の経験を兼ね備えているから。「実務と研究のどちらが先か」と悩む人も多いですが、どちらも正解ですし同時進行する道もあります。気になるテーマに関心を持ち続けることが大切です。
学生さんに聞きました!
ホーランドアメリカグループ 国際協力研究科修了 市川 紗恵さん
大学卒業後「世界とつながる仕事をしたい」と考え外資系コンテナ会社に就職。顧客のニーズに合わせて最適化したルートで、世界中にある何百万個ものコンテナを動かす仕事にやりがいを感じていました。転機は2010年のハイチ地震。首都が壊滅し31万人以上の人が亡くなる中、かろうじて機能する空港に世界中から支援物質が積み上がるのに、被災者にはうまく届かない。そんな「物流の現実」をテレビで見て、国際協力や人道支援に携わりたいと考えたのです。そこで外務省・緊急人道支援課の任期付職員に応募。働きながら国際協力について学ぶ環境が整った学校を探し、見つけたのが母校でもある本学でした。今の外資系海運会社に就職したのは2年生の時で、3年かけて修了しました。専門知識以外にも、多面的な考察の仕方、体系的な理論の組み立て方など、学んだことは今も大変役立っています。修士論文は「人道支援の物流には『穴』がある。常に物流の最適化を追求する民間と政府が協力する仕組みが必要だ」という内容でしたが、昨年、私が働く会社の船でも新型コロナウイルス感染症の集団発生があり、その内容を体現する事態に。学んだことをそのまま活かし、お客様の命を守った巡り合わせに驚いています。人生で大事なのは「自分がどう生きたいか」を常に軸として持っていること。それさえあれば多少の挫折はあっても、未来は切り開かれていくと思います。
(本内容は、取材当時の情報です)
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