2021年国際協力キャリアガイド:新潟県立大学大学院

 

学校紹介
「新潟県立大学大学院 国際地域学研究科 国際地域学専攻」
東アジア交流圏の玄関口である新潟の地で2015年に創設された国際地域学研究科。地域性を活かして国際社会、特に、東アジアなどについての高度な知識と政策分析能力を持ち、英語によるコミュニケーション能力を備えた人材の養成を目指す。アカデミック・プログラムは「国際社会研究科目群」「地域国際関係研究科目群」「地域(各国)研究科目群」の三つからなる。「国際社会研究科目群」で多角的に国際社会を分析するための基本的な概念、理論、政策的課題を学び、「地域国際関係研究科目群」ではさまざまな国家や地域における国家間関係の比較を通じて地域システムを分析する基礎を築く。そして「地域(各国)研究科目群」では、政治、経済、社会などの側面から東アジア各国に関する詳細な分析に焦点をあてる。英語や日本語で行われる科目を提供しており、英語授業のみの履修で学位取得が可能となっている。社会人や留学生など多様なバックグラウンドを持つ院生のニーズに応えるため、午後6時以降や土曜も開講。2年分の学費で3年間学ぶことができる長期履修制度も利用可能だ。同大の学部在学中に大学院の科目を履修することにより最短1年で修了できる「4+1制度」も設けている。10人という少数精鋭ゆえに教員との距離も近く、研究発表の際は全教員からアドバイスが受けられる。院生用の共同研究室は24時間利用可能で、学生同士の対話から研究が深まることも珍しくない。修了後は、県内の企業や自治体に就職する「地域貢献型」、官庁やマスコミ、国際機関など国内外で活躍する「国際展開型」、博士課程への「進学型」が主な進路となる。

 
 

先生に聞きました!

政策研究センター 教授 国際地域学研究科長 伊藤 晋先生


大学院では「国際開発政策」などの授業を英語で行っています。授業では国際開発全般を扱いますが、私の専門である金融の観点にも力を入れています。論文を読んだ上で議論しますが、論文からは見えない現場の実情や課題を共有しながら進めることで、制約や限界も含めた現場の面白みを伝えていけたらと考えています。当研究科は、その名の通り「国際」と「地域」をキーワードに、国際政治、国際関係、国際経済、国際開発について学ぶことができます。開発途上国の開発課題を理解・分析するには、多角的な視点が重要であり、深く広い学びを得られるのが特徴です。また、日本にいながら英語の修士論文で修士号を取れるのもメリットの一つです。そのために英語力を鍛えるプログラムも充実しています。大学院での学びを通じて、国際的な視野を持って地域課題の解決に貢献したり、地域の事情をきちんと踏まえながら国際的に活躍したりするような、「グローバル」と「ローカル」の視点を持って国内外で活躍できる人材を歓迎します。


学生さんに聞きました!

国際地域学研究科1年 藤本 文さん

高校で国際科に在籍していて、当時から難民や食料危機にまつわるドキュメンタリーを見る機会があったので漠然とした問題意識を持っていました。新潟県立大学を選んだのは、英語教育プログラムに力を入れていて英語で学べる専門科目があったこと、国際関係の学びが得られることが大きな理由です。大学院への進学を意識したのは3年次。1年間休学して派遣留学制度でハワイとカナダの大学で学びました。まずハワイの大学で英語力を鍛えて、カナダでは移民の多い地域だったこともあり、マイノリティーに関する政策問題について他の留学生たちと学びました。帰国後、スーザン・L・ウッドワードの平和構築における国家建設の論評に感銘を受けて卒業論文を進める中で「平和構築に関する学びを深めたい」と思うようになり、進学を決めました。学部在学中に大学院の科目を履修できる「4+1制度」があったことも後押しになりました。大学院では、紛争後の国家建設における評価と歴史的アプローチの研究をケーススタディーをもとに進めようと考えています。対象国はシエラレオネにする予定です。指導教員として二人の教授が付いてくださり、進め方や調べ方の相談にもきめ細かく対応してもらえるのは少人数ならではのメリットだと感じます。修了後は国際的な企業で働きたいと考えていますが、いつか博士課程で学びを深めることも視野に入れています。
 
(本内容は、取材当時の情報です)

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

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