2021年国際協力キャリアガイド:日本大学/大学院

 

学校紹介
「日本大学/大学院 生物資源科学部国際地域開発学科/生物資源科学研究科」
伝統ある農獣医学部を前身とし、12の学科を持つ生物資源科学部。資源利用を巡る人間の活動と科学技術の在り方が問われる現代において、環境を維持しながら「持続可能な資源の生産と利用」という課題に挑戦する。自然豊かな敷地に、農場や演習林、臨海施設など多様な施設を有し、大学院では最先端の基礎・応用研究を行っている。学部12学科のうち国際地域開発学科では、開発途上国における諸問題の発見や具体的な解決手法のしゅうちょくのために「環境・資源」「経済・開発」「地域・文化・コミュニケーション」の3分野を複合的に学ぶ。食料、貧困、環境など、世界の問題解決に向けて、地域の特性や、そこに住む人の生活や文化を理解し寄り添いながら、農業・農村開発問題に取り組む人材を育てていく。海外でのフィールドワーク、インターンシップも積極的に支援。理系・文系の枠を超えた「文理融合」が学びの基盤となっている。1年次に主に学ぶのは「国際協力論」などの必修科目と実践的な語学。2年次からは「農業・農村開発コース」「グローバルコース」のいずれかを選択し、専門性を高めていく。3年次からは研究室に所属し、将来の進路を見据えた学習に取り組む。大学院に進学する学生も多く、学部と大学院の一体的な教育環境も充実している。国際協力機構(JICA)と大学の連携ボランティア覚書締結もあり、在学中に青年海外協力隊への参加も可能。参加実績を修士論文に組み込むこともでき、協力隊への派遣実績は国内有数となっている。協定を結ぶ大学への留学など支援体制も手厚い。国際協力の場で活用される「プロジェクト・サイクル・マネジメント(PCM)」も学べる。

 


先生に聞きました!

生物資源科学部国際地域開発学科 教授 倉内 伸幸先生


私の専門は作物学・育種学で、途上国の人たちが食料とする植物を品種改良し、収量を上げたり、より栽培しやすくしたりする方法を研究しています。他大学の農学部に比べ「日本ではあまり注目されていないが、現地においては非常に大切な作物」について学び、人々の生活に役立てられるのが当学科/研究科の大きな特徴です。学部で担当しているのは、ヤムイモやキャッサバなど熱帯地域で利用される作物の特徴や栽培方法を学ぶ「熱帯資源作物学」と、国内外さまざまな作物に関し人々がそれをどう利用してきたかという文化的背景を学ぶ「作物と食の文化」。本学科は「文理融合学科」であり、学生の興味も、農業や食文化、農村経済などさまざまです。既成概念にとらわれず、多面的な角度から研究視点を持てる学生が多いと感じています。大学院に進学する学生も多く、そうした学生に対しては、早い時期から学部・大学院一貫しての研究に着手できるよう配慮し指導にあたっています。


学生さんに聞きました!

トキタ種苗株式会社 2021年3月生物資源科学研究科修了 石崎 優美さん

現在種苗会社で働き、種子生産課という部署で主に海外の採種会社とのやりとりを担当しています。種苗会社の多くは海外で種を採取しているため、作物の種類や作付けの面積、収穫予定量などの打ち合わせや、品種の特性に合わせた栽培指導などが業務内容になります。取引先の国・地域は中国、チリ、北米、南アフリカ共和国、タイなど。今は新型コロナウイルス感染症で出張はありませんが、コロナが収まれば現地での農家指導も行っていきます。私が「種苗」という言葉を知ったのは大学1年生の時。キャリアデザインの授業にれた卒業生の話を通じ「普段何気なく食べている甘いトマトは、自然に誕生したのではなく、人の手による品種改良で生まれた」と知り、自分も品種改良に携わりたいと思うようになったのです。学部・院での研究テーマは「空心菜の遺伝的研究」。主に中国や東南アジアで食べられる空心菜は、実は世界中に分布しています。世界各地の空心菜を集め、家系図のようなものを作りました。先生方の専門が幅広いのはもちろん、さまざまな地域を専門とする先生がいるのがこの学科/研究科の良いところです。協力隊経験者も多く、自分の興味のある分野と地域、それぞれについて「現地に行かなければ知ることのできない話」が聞けたのも、将来の進路を決めたり自分の研究を深めたりする際に、とても役に立ちました。
 
(本内容は、取材当時の情報です)

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

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