<技術協力>
財務と実施能力を強化し持続的な廃棄物管理体制確立に貢献
2013 年3月から約4年半にわたって実施された国際協力機構(JICA)の技術協力プロジェクト・モザンビーク「マプト市における持続可能な3R活動推進プロジェクト」(先行技プロ)の成果を継承し、廃棄物管理能力の向上などを目標に現在実施されているのが「マプト大都市圏統合的廃棄物管理能力向上プロジェクト」だ。協力期間は 2019 年 11 月から 23年 10 月(予定)まで。
プロジェクトの前半では、マプト市における固形廃棄物管理マスタープラン(M / P)の行動計画策定や廃棄物の収集運搬サービスの監督・監理などの改善、発生源分別パイロット・プロジェクトの計画・準備・開始、さらにマプト市環境・廃棄物管理局(DSMAS)の詳細な財務管理調査とその改善など6つの成果目標に向け、精力的な活動が展開された。日本工営によると、DSMAS 職員の意欲の高さもあり、各成果目標は順調に達成されつつある。たとえば、ゴミの分別パイロット・プロジェクトでは DSMAS 事務所や関連組織事務所が率先して参加。発生源分別の実践、分別された資源ごみ量のモニタリング、また、既存のリサイクル関連企業や施設の特定調査まで実施した。
同市のごみ処理料金は電気料金に自動的に含まれており、電力消費量に応じ低・中・高の3段階で設定されている。徴収は比較的容易なものの、貧困層により負担を強いる不公平感が確認された。事業者のごみ処理料金にも同様の状況が確認されたことから、より公平・公正な処理料金体系が提案された。また、都市ゴミの収集作業の監督や契約管理などが徹底されていないため、その実施手順を作成・提案した。この「マプト・モデル」をどう他都市に広げていくか。次なる課題である。
■コンサルティング
・日本工営株式会社
(国際開発ジャーナル2023年3月号掲載)