インドネシア|ジャカルタ地盤沈下対策プロジェクト|国際協力プロジェクト

<技術協力>
地盤沈下対策を推進し都市機能の維持・発展に貢献
 

 インドネシアの首都ジャカルタは人口 1,000万人以上を抱え、経済・政治の中心地として急速な発展を遂げてきた。その一方、深刻化したのが地下水の過剰揚水などによる地盤沈下だ。ジャカルタ北部では 1970 年以降、最大で 4m以上の地盤沈下が見られ、すでに州の面積の4割以上がゼロメートル地帯に位置し、都市機能の脆弱性を高めている。
 
 住民への影響も顕在化している。満潮時や降雨時の浸水被害、洪水発生時の湛水被害などに加え、建物や橋梁、水道・下水道など地下インフラへのダメージも懸念される。
 
 国際協力機構(JICA)が開発計画調査型技術協力として実施した本案件は、地盤沈下対策を推進するための体制を整備し、具体的なアクションプランを策定、内水氾濫や洪水、高潮に対する脆弱性リスク低減への貢献を目指したものだ。「統合水資源管理」の考え方を基本に据え、地盤沈下の軽減対策を「緩和策」、地盤沈下によって高まる災害リスク対策を「適応策」に定義、公共事業・国民住宅省(PUPR)水資源総局を実施機関とし「合同調整委員会」の下に関係部局による5つのワーキンググループを組織し、各種調査・協議、アクションプランの立案業務などを技術協力チームと一体的に進めた。活動第1期(2018年4月~19年5月)には実施体制の確立に加え、地盤沈下と地下水に関する調査・データ分析、パイロット地区の選定、さらに短期から長期のアクションプランが策定された。コロナ禍に直面した第2期(2019 年7月~ 22年 11月)にはアクションプランの短期対策を実施し、活動の自立的発展のため事業実施委員会(PIC)を設立、PIC のアクションプラン策定などの成果を上げた。

■コンサルティング
八千代エンジニヤリング株式会社

 

(国際開発ジャーナル2023年6月号掲載)

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