ネパール|タライ東部地区灌漑施設改修計画準備調査|国際協力プロジェクト

<協力準備調査(無償資金協力)>
 老朽化と機能低下が著しい灌漑施設を改修し穀倉地帯の農業生産性を向上

 ネパール政府は農業を基幹産業に据え、生産性の一層の向上を最優先課題の一つに位置付けている。

 

 同国の農業セクターには、就労人口の約3分の2が従事し、国内総生産(GDP)に占める割合は31%だ。また、世界銀行が定める貧困ライン以下の人口のうち約80%が農業に従事している。そのため、農業・農村開発を通じた農家の所得向上は、貧困削減や国内の格差解消にも極めて重要な課題になっている。

 

 同国政府は、農業分野の発展を目指した基本方針として「灌漑農地増進によるネパールの繁栄」を掲げ、灌漑施設の整備・改修に注力している。ところが、限られた予算規模や整備・改修技術が不十分なこともあり、灌漑農地の増進は大きな“壁”に直面していた。

 

 特に肥沃な土壌や水資源などに恵まれ、国内生産量のうち米の79%、小麦の 64%、野菜の 58%を生産する同国随一の農業地域、タライ平野では、灌漑施設の老朽化と機能低下が著しかった。通年の灌漑面積が限定的な上、干ばつなどの影響もあり生産量は不安定な状況にもあった。

 

 中でもタライ平野東部に位置するサプタリ郡チャンドラナハル灌漑地区の灌漑面積は1万haを超え、受益世帯数は3万5,000世帯と生産力の向上を図っていく上で重要な灌漑地区だ。しかし、灌漑施設は 1927 年に整備されたもので、極めて深刻な老朽化問題に直面していた。

 

 その改修と機能強化を目指し、同国政府は無償資金協力による本計画の実施を日本政府に要請。改修事業の緊急性や高い協力効果などを踏まえ、国際協力機構(JICA)は効果的に無償資金協力につなげるべく協力準備調査を実施した。

 

 現地調査は 2021 年3月から5月にかけ実施された。高い開発効果が確認されており、事業実施が期待される。

 

■コンサルティング
NTCインターナショナル株式会社
日本工営株式会社

 

(国際開発ジャーナル2023年10月号掲載)

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