世界の課題に挑む空間情報コンサルタント
アジア航測は自社で保有する航空機と最新鋭のセンサーによる空間情報の収集・解析から、活用方法の提案、実施プラン策定まで、一貫した技術サービスを提供する空間情報コンサルタント企業だ。空間情報は世界的な課題解決のための重要なインフラとなっており、同社への期待は高まっている。
最先端の測量技術で得た空間情報をもとに作成された地形図は、防災や環境保全、社会基盤整備など幅広い分野に役立てられる。これらのニーズが高い新興国や開発途上国を対象とした政府開発援助(ODA)プロジェクトへの取り組みも積極的だ。
アジア航測の経営理念の一つは「事業は社会のために存続する」こと。絶え間ない技術革新を通じ、国民の暮らしの豊かさを追求し、安全・安心の持続的発展に寄与することを基本方針に掲げている。
業界No.1の働きがいを目指し、働き方改革の推進にも取り組んでおり、厚生労働大臣が子育てをサポートする企業を認定する「くるみんマーク」や、女性の活躍推進に取り組む企業である「えるぼし」を取得している。
求める人材像は「既成概念の枠にはまらず、素直にものを見ることができる人」「多様性を受け入れ、一緒に目標に向かって取り組める人」「好奇心旺盛で、チャレンジ精神と自らの信念を持って行動することができる人。特にグローバルに情報のアンテナを張っている人や新たなビジネス領域を想像したい人」だという。
選考は面接試験が中心。専門性と人間性の両側面を吟味し、採用の可否を判断する。外国籍の社員も多数。
当社の2030年構想
中期経営計画「明日を共創(つく)る」Leading for the future
アジア航測は、長期ビジョン「新たな空間情報ビジネスの可能性に挑戦し、成長しつづけるグローバル企業」を掲げ、長期目標「連結売上高500億円、ROE8%の達成」に向けさらなる成長を目指し取り組んでいます。2020年10月よりスタートした中期経営計画においては、主要戦略として「AAS-DX」を掲げ、センシングイノベーションが生活インフラに融合した未来社会の構想と、経営戦略を強力に推進するIT基盤整備の二つの意味を合わせたDXを推進しています。
持続的な社会の実現に向けて、全社員とともに多様な働き方が可能な職場環境の整備により社員の幸福度を高め、より働きがいのある企業へのさらなる成長を図っていきます。
社員さんにききました
現地のニーズに合わせた
理想論で終わらせない
森林保全活動に取り組む
現在、モザンビークの森林管理計画策定や森林保全のためのパイロット活動などの業務を行っています。具体的には、国立保護区をゾーニングすることで保全区域を可視化したり、現地の大学の共同研究を活用した森林火災対策を行ったりしています。
海外の仕事に関心をもったきっかけは、大学生のときに滞在したタンザニアでストリートチルドレンの現状を目の当たりにしたことです。卒業後は建築材メーカーで営業職を5年間経験しましたが、一念発起して退職し青年海外協力隊に応募。モザンビークで養蜂による住民の生活向上活動に従事しました。養蜂によって地域住民の収入を増やすことができ「子どもの文房具が買えるようになった」などの声をいただいたことが最大の喜びです。
現職でも従事する業務のほとんどがアフリカです。去年まで担当していたマラウイのプロジェクトでも森林保全を担当し、現地住民の生活向上活動も同時に行いました。引き続き、アフリカでの経験を増やしつつ、機会があれば他の地域でのプロジェクトに参加し実力をつけるのと同時に、資格取得も積極的に目指したいです。
略歴
・19歳:開発経済学のゼミで大学の夏休みを利用してタンザニアに滞在
・20歳:コミュニティ参加型の学校経営を研究対象としエチオピアで調査を行う
・28歳:5年在籍した会社を退職。青年海外協力隊に応募し2年間モザンビークで活動
・35歳:森林・環境分野の国際協力事業を行う団体を経て、現職
企業データ
・名称:アジア航測株式会社
・設立:1954年
・資本金:16億7,377万8,000円
・従業員:1,547名(2021年9月30日現在)
・本社:神奈川県川崎市
・住所:〒215-0004
・神奈川県川崎市麻生区万福寺1-2-2新百合トウェンティワン3階
・Tel:044-969-7230
・Mail:tk.jinji@ajiko.co.jp
『国際協力キャリアガイド22-23』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)