東海大学|政治経済学部|国際協力が学べる大学・大学院

文理融合と社会実践教育に注力

 東海大学政治経済学部は政治学科と経済学科を有し、日本と国際社会の一層の発展と向上に寄与しうる「冷静な頭脳と温かい心」に立脚し、「社会力」を持った人材の養成を目指している。
同学部を含め、東海大学は文理融合と社会的実践力育成に力を入れており、2018年からはパブリック・アチーブメント型教育を全額必修化。これは、持続可能な社会づくりに自分自身も何かできるという意志やそのためのスキルなどシチズンシップを養うもの。1年次の「現代社会と市民」「社会参画の意義」「地域理解」「国際理解」といった授業で社会に働きかける方法や、身近な地域と世界とのつながり、社会課題の解決にどう協働できるかなどを、グループワークを通じて学ぶことができる。

 さらに、知識だけではなくそれを実践できるように、複数学科の学生が集まり大規模に活動する「チャレンジプロジェクト」と、より小規模な「ユニークプロジェクト」を用意している。これは、学生が本当にやりたいことをプロジェクトとして計画し、大学に申請すると、審査が通った場合には経済的な支援と教員がアドバイザーとしてつくなどの人的支援を行う仕組み。ソーラーカーの開発とった工学系から、持続可能な開発目標(SDGs)をテーマに植林やプラスチックごみ削減の取り組みまで多種多彩なプロジェクトがあり、学生が自分らしく社会とつながるきっかけを見つけられるよう後押ししている。

わが大学が目指す2030年

 東海大学は、経済産業省、文部科学省のよびかけで2021年7月に立ち上がった「カーボン・ニュートラル達成に貢献する大学等コアリアクション」のさまざまなワーキンググループのうち、人材育成ワーキンググループで幹事大学を務めています。このコアリアクションはカーボンニュートラルの実現に向けて、大学などの高等教育機関がそれぞれの立場や強みに応じて取り組むもの。現在約200の参加機関で何ができるか、カーボンニュートラルの実現に貢献できる人材を育成するための共同プログラムを作るなどのさまざまな取り組みを教員や職員が参加して検討しています。東海大学では、さらにキャンパスや地域のカーボンニュートラル達成に向けた検討を進めるとともに、学内セミナーなども計画中です。(スチューデントアチーブメントセンター 二ノ宮リムさち准教授/シニアマネージャー)

国際的なキャリアに活かせる学問

山本 雅資先生(政治経済学部経済学科教授 廃棄物管理、食糧問題、食品ロスなどの分野を含む環境経済学)

山本 雅資先生(政治経済学部経済学科教授 廃棄物管理、食糧問題、食品ロスなどの分野を含む環境経済学)

 経済学って何をやっているかわからない、というイメージがあるかもしれません。でも実は、私のように経済学で環境問題を解決したいと思っている人もいれば、ジェンダー、食糧、教育、差別の問題などに取り組む人もいます。間口が広い学問なので経済学でできないことはおそらくありません。経済学は世界中で同じ教科書を使用するなど標準化が進み、国際的なキャリアを積む上でもしっかりとしたバックグラウンドになります。複雑な問題をわかりやすくする数学というツールを使い、社会問題をクリアに考える学問なので、歴史や哲学といった社会科が好きで人間に興味があり、かつ科学したい人に向いていると思います。

使って!この授業・この制度

 私のイチオシの授業は、2年次に履修できる「データ分析入門」。例えば、ツイッターで特定の条件でツイートした人を抽出し、その特徴を可視化して分析するなど、データサイエンスの基礎を学べます。今は高性能なデータ分析のツールも無料で使えるような時代。それらを使って世界を変えようとする若者もどんどん出てきています。このようなスキルは言語の壁を超え、国際的にも絶対に強みになるでしょう。また、私が担当しているプレゼミでは、『食べる経済学』という書籍をもとに、世界共通の「食べる」という行為をいつも手にする食品のカーボンフットプリントなど身近な視点から考えています。

学生(卒業生の声)

自主性を持って挑戦してみよう

石澤隼さん(政治経済学部経済学科4年)

石澤隼さん(政治経済学部経済学科4年)

 山本先生の環境経済学のゼミに所属し、3年次には私がリーダーを務めて共同で書いた論文を、さまざまな大学が参加する環境経済・政策インターゼミナールで発表しました。テーマは、「大学におけるカーボンニュートラル達成の実現可能性」。約20の国立大学が公表している電気使用量を調査し、校舎の屋上など活用できそうな場所に太陽光発電施設を設置した場合、再生可能エネルギーでどれくらい自給自足が可能か比較しました。大学によってデータの表示方法などが違ったため、一つの基準に当てはめてデータ化するのが難しかったです。当初は理系の大学の電気使用量が多くなると予想したものの、大学の規模が大きいほど使用電気量が増え、自給率が下がるという結果になりました。この論文で優秀賞をいただいたことは大きな喜びです。このときに役立ったのは、統計学の授業でした。数学は苦手ですが、統計学はやり方さえわかれば案外簡単なので、数学やデータ分析に苦手意識を持っている人にこそおすすめです。大学では受け身ではなく、自分で学びとろうとする姿勢が大事だと思います。

脱炭素関連の研究を発表

脱炭素関連の研究を発表

山本教授のプレゼミの様子

山本教授のプレゼミの様子

学校データ

・名称:東海大学|政治経済学部
・取得可能な学位 政治学・経済学
・定 員 : 400人(2022年度入学定員)
・学 費 : 入学金20万円、授業料122万7000円
・奨学金制度 : 日本学生支援機構のほか、大学独自の奨学金あり
・所在地 : 湘南校舎(1・2年次)〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1
・Tel : 0463-63-4370

『国際協力キャリアガイド22-23』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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