東洋英和女学院大学|大学院国際協力研究科|国際協力が学べる大学・大学院

多種多様な社会人学生と社会課題に挑む

 東洋英和女学院大学大学院は社会人でも学びやすく、実社会への還元に直結した大学院となっている。講義やゼミは原則平日夜間と土曜日。六本木にキャンパスを構え男女共学で幅広い世代、多種多様な業界・業種、経歴の人への学びの場を提供している。また、学生と教員が密接にコミュニケーションを取れる少人数制であることも特徴。本年度から同学の全修士課程が専門実践教育訓練指定講座(入学金と授業料の70%を雇用保険が支給)となり、学費の負担も軽減。さらに挑戦しやすくなった。

 カリキュラムは、「基礎共通科目群」「専門科目群」「演習科目」に大別。「基礎共通科目群」では、国際関係論や国際機構論のほか、政治学・経済学・社会学などの専門領域における考え方や分析方法を必修科目で学び、英語論文を読みこなす語学力などを身に付ける。学外の専門家を招いたワークショップも好評だ。

 「専門科目群」では、2コースのうち1コースを選択し受講する。一つは持続可能な開発目標(SDGs)をキーワードに、教育・保健医療・平和構築などさまざまな社会課題を深く理解し、解決策を考える「サステイナブル国際協力コース」。もう一方は、地域研究科目だけでなく具体的な社会課題やメディア、ビジネスに関連する科目で学際的なアプローチを学ぶ「国際政治経済・地域研究コース」だ。

 修了後の進路は、国際協力NGOや政府機関、国際機関、民間企業など幅広い。

わが大学が目指す2030年

 経済社会で注目されているSDGsについて、本質を追求した学びの提供に取り組んでいます。

 2030年に向けて掲げられた17のゴールのうち、環境問題解決といっても、さまざまなセクターと結びついた課題は存在します。修了生の研究事例では、”環境難民”といって、温暖化と人権がつながった課題に取り組みました。環境問題の中でもわれわれには気付きにくいこうした人権的な考えや、政治的側面などが存在し、解決するには国の政策レベルから変える必要があります。

 吉川健司教授は「学生たちには、世界の裏側を見落とさず、本質を見極める力が付くように指導しており、修了後は実務に活かすことで、17のゴール達成の一助となってほしい」と語ります。

仕事と学びの両立を手厚く支援

吉川健治先生(国際協力研究科 教授)

吉川健治先生(国際協力研究科 教授)

 SDGsで掲げているゴールに対して社会科学分野から総合的に学び、多角的な視点と的確な判断力を養えるカリキュラムがポイントです。最近ますます身近になった持続可能性を考える上では、学問を深めると同時に世界各地域がもつ独自の考え方、政治・経済の動きを知ることも当然必要。それらを学び実践することで、生活や仕事にSDGsを組み込むためのアイデアが豊富になります。

 また、社会経験を通じて感じた疑問を研究テーマにする社会人学生も多く、学生同士で社会経験をシェアできるところも魅力的です。多種多様な研究テーマに対しても、実務経験や研究分野など守備範囲の広い教員が手厚くサポートしています。

使って!この授業・この制度

 2022年度からハイブリッド授業を開始。対面授業を同時にオンラインで配信しています。その日の都合により、対面受講かオンライン受講かを選べます。入学と同時に始まる修士論文指導は、指導教員とほとんどマンツーマンで実施。研究テーマの選定から執筆まで手厚く指導します。

 また「長期履修制度」を設けており、修士2年間の授業料で最長4年間の在学が認められます。私自身も働きながら修士号を取得する大変さを経験しましたが、社会人でもキャリアを中断せず研究に打ち込むことができ、挑戦しやすい環境が整っていると感じます

学生(卒業生)の声

国際経験を踏まえた学び直しで、新たな視点を

赤井雄俊さん(国際協力研究科1年)

赤井雄俊さん(国際協力研究科1年)

 考古学に魅了され、遺跡に与える環境負荷を学びたいと考えニュージーランドの大学へ進学し、環境学を専攻。卒業後はタイで就職しました。国際経験は長かったものの、仕事上、博士号取得者と関わることも多く、学び直しの必要性を強く感じました。

マリンディで行ったアウトリーチ活動

マリンディで行ったアウトリーチ活動

 本学では、「ケニア マリンディの収入向上を目的とした住民参加型のツーリズムの活用」を研究テーマとしています。以前、青年海外協力隊でケニアの環境教育支援に参加した際、現地の乳幼児死亡率の課題を肌で感じたのがきっかけです。この問題は、住民の医療へのアクセス難が要因の一つなので、環境という私の専門分野を住民の収入向上に役立てて、必要な医療を受けられるようにしたいと考えるようになりました。

学生同士の間隔を空けて講義を実施

学生同士の間隔を空けて講義を実施

 修了後は研究内容を実現することを想定しているため、まず学術的な視点で検討し、先生から指導いただけることは心強いです。大学院進学を選択するなら、目的意識と修了後のキャリアを具体化しておくことが重要。将来を見据えた挑戦が学びを充実させると感じています。

学校データ

・名称:東洋英和女学院大学 大学院国際協力研究科
・取得可能な学位:修士(社会科学)
・定員:20人
・学費:入学時納付金62万200円、次期以降32万円(前期・後期制)
・奨学金制度 : 日本学生支援機構の奨学金、専門実践教育訓練給付金指定講座
・所在地:〒106-8507東京都港区六本木5-14-40
・Tel:03-3583-4031
・Mail:daigakuin@toyoeiwa.ac.jp

 

『国際協力キャリアガイド22-23』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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