名古屋大学|大学院国際開発研究科(GSID)|国際協力が学べる大学・大学院

グローバル社会の課題解決に活躍する人材を

 名古屋大学大学院国際開発研究科(GSID)は1991年、日本初の国際開発分野の専門大学院として創設された、①経済開発政策・マネジメント、②教育と人材開発、③包摂的な社会と国家、④平和とガバナンス、⑤貧困と社会政策という5つの教育プログラムを揃え、持続可能な開発目標(SDGs)が掲げるグローバル社会の課題に取り組む人材を育ててきた。学生は一つのプログラムを主専攻とするが、ほかのプログラムの科目も学べる。2018年には、1年で博士課程を修了できるプログラム「五ろーばる企業人材育成特別課程」や、国際機関で働くスキルを習得する「グローバルリーダー・キャリアコース」も新設した。

 学生の約7割は留学生で、国費外国人留学生度、アジア開発銀行日本奨学金プログラムや、JDS、ABEイニシアティブ、SDGsグローバルリーダーズといった国際協力機構(JICA)スキームを活用し、途上国の政府職員など意欲ある人々を受け入れている。JICAなどで経験を積んだ社会人も多く、実践教育を重視するので国際開発分野の即戦力を目指す人に最適だ。講義は原則として英語で実施される。

 新型コロナの影響により一時中断した対面授業も、2020年の秋から再開。来日できない留学生がまだ多いため、オンライン授業も併用している。オープンキャンパスも2020年年度と21年度はオンラインによる2部制となり、午前は日本語、午後は英語で実施したが、例年より多くの国から参加者が集まった。

わが大学が目指す2030年

 名古屋大学と岐阜大学により構成される東海国立大学機構は、全国の大学が集まって構成する「カーボン・ニュートラル達成に貢献する大学等コアリッション」に参加し、中心メンバーの一校として活動しています。これに併せて、同機構内も「カーボン・ニュートラル推進室」が設けられ、国際開発研究科もグローバルな脱炭素社会の実現に向けた重要な役割を担っています。

 また同機構では、毎年「環境報告書」を発行し、大学の脱炭素かや環境人材の育成、自治体の脱炭素化支援など、多様な取り組みを紹介しています。詳しくはホームページを参照。

「実践」での学びを大切に

岡田 亜弥先生(右)(国際開発研究科 研究科長)カルロス・メンデス先生(左)(同研究科 准教授)

 本研究科では、日本学生支援機構(JASSO)の「海外留学支援制度」を組織として申請する形で、博士前期課程の学生が日本国外で研究・調査を行う際に1カ月当たり7万円と、往復の航空券代を支援してきました。一定の成績を収めていて、日本国籍があれば支給対象となります。また2021年から、博士後期課程の学生向けに2つのフェローシップ・プログラムが始まり、どちらも毎月18万円の研究専念支援金と、年に25万円の研究費が3年間支給されます。今まで支援が手薄だった博士後期課程の学生に対し、研究に集中できる環境を提供するのが狙いです。(副研究科長 島田弦先生)

使って!この授業・この制度

 本研究科が最も力を入れているのは、実践的な教育です。1990年代から行ってきた「海外実地研修」は、フィリピンやカンボジア、インドネシアなどの農村地域に数週間滞在し、調査手法を
学ぶとともに、現地の課題を肌で感じながら分析し、解決策を考えます。留学生向けに日本の地
方自治体で同様のフィールドワークを行う「国内実地研修」もあり、国連教育科学文化機関(UNESCO)バンコク事務所など、国際機関でインターンを経験する機会もあります。さらに「ダイバーシティと異文化理解の尊重」も重視しており、外国人教員および女性教員の比率は、名古屋大学のすべての研究科の中で最も高いです。

学生(卒業生の声)

GSIDでの経験・研究成果を活かし難民支援に尽力

羽田野真帆さん(国際開発研究科博士 前期課程2013年修了)

 小学生の頃、米国で3年ほど暮らしましたが、さまざまな出自の人々と意見を言い合う環境は心地よいものでした。緒方貞子氏の業績を知って「難民支援に携わりたい」「将来は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)で働きたい」と思うようになり、愛知県立大学在学中から名古屋地域の難民と関わり、ミャンマーなどからの難民に週1回のペースで日本語を教えたり、難民申請の補助に携わって話を聞いたりしました。

名古屋難民支援室で難民の方の聴き取りを行っている様子

 大学院進学でGSIDを選んだのは「実践」がしたかったからです。インドネシアでの実地研修では、同国政府による「移住政策」に着目し、移住経験者や政府関係者から聞き取りを行いました。ゼミにも政府機関で働いていた留学生が多く、共に話し合えたのは貴重な体験になりました。

 わが国の難民申請の問題点を掘り下げようとする中、修士2年の時に名古屋難民支援室が始動したので応募し、コーディネーターとして採用され現在に至ります。GSIDでの研究成果を活かし「難民申請書書き方マニュアル」の作成などを行っています。

フィリピンで実施した海外実地研修(OFW) の様子

学校データ

・名称:名古屋大学|大学院国際開発研究科(GSID)
・取得可能な学位 修士/博士(国際開発学)
・定 員:44人(博士前期課程)/22人(博士後期課程)
・学 費:26万7,900円(半期)
・奨学金制度 : 日本学生支援機構の海外留学支援制度、博士後期課程向けのフェローシップ事業など
・所在地:〒464-8601愛知県名古屋市千種区不老町
・Tel:052-789-4952
・Mail :gsidoffice@adm.nagoya-u.ac.jp

『国際協力キャリアガイド22-23』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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