鳴門教育大学|大学院学校教育研究科人間 教育専攻グローバル教育コース|国際協力が学べる大学・大学院

世界で教える教育者を育てる

 徳島県鳴門市にある鳴門教育大学は、「教師教育のリーダー大学」として人間的魅力のある教師・教育関係者の育成に尽力。国際協力機構(JICA)と連携協定を結び、1999年からこれまでに60ヵ国以上から1200人を超える研修員を受け入れた。世界各国での技術協力プロジェクトに教員が参画したり、学年で各国の教育省関係者への研修を行ったりしている。

 2019年に誕生したグローバル教育コースでは学生の半分以上が留学生。教員経験者や母国の教育改善を目指す人材などが多数在籍しているため、「多様性の実体験」が可能な環境が整っている。

 学びの分野は四分野。「国際教育協力」では国際教育協力の専門家育成を目指し、JICAの技術協力プロジェクトの計画、実施、モニタリング、評価技法などを身に付ける。「日本語教育・日本文化」では日本語や日本文化、教授法などを学び日本語教師養成プログラム修了照明を取得することが可能だ。「英語コミュニケーション・異文化理解」では語学力のみならずコミュニケーション力と文化理解力を備えた専門家育成を目指す。「国際理数科教育」では万国共通の事物を扱う数学・梨花教育の基礎的な内容理解を深めた上で、世界の子どもたちの科学的態度を育む教材や教授法の開発を行う。いずれも研究・免許取得・短期留学ボランティアなど多彩な活動を通じ、全世界的視野で学び、考え、教える教育者の育成を目指すのが特徴だ。

わが大学が目指す2030年

 鳴門教育大学では2022年4月より新学長を迎え、第4期中期計画をスタートさせました。同計画の前文で打ち出しているは「子どもの多様性や教育課題の複雑さに対応した教育実践を創りだしていく教師の養成(創造的実践者としての教師の養成)」で、文化や発達度など多様性に対応しうる教員養成の重要さを強調しています。「正解がない課題」に対しては、まず教育関係者自らが多様性への対応力を高めることが必要と位置づけ、教育を志す者の「多様性の実体験」を重要な優先課題としています。

 本学では従来からJICA四国との協力協定を結んできましたが、昨年度からはJICA本部との包括協定も締結し、より強固な連携を図ります。

海外で教えるグローバル教員の育成

宮部真由美先生(大学院学校教育研究科 人間教育専攻 グローバル教育コース 准教授 現代日本語の語彙や文法の研究、日本語支援を必要とする年少者の日本語教育)

宮部真由美先生(大学院学校教育研究科 人間教育専攻 グローバル教育コース 准教授 現代日本語の語彙や文法の研究、日本語支援を必要とする年少者の日本語教育)

 本コースで目指すのは「世界から学び、世界とともに考え、世界で教えられる人材」の育成。
同時に「日本を知り、日本文化を知り、日本の魅力を世界に発信できる人材」を育てることも大切にしています。本コースで学ぶ学生の中には、海外から日本を訪れて、教育制度、日本語の教え方、科学・数学の教え方を学び、教師としての資質向上や母国の教育改善を目指す留学生も多
くいます。在学中にJICA研修生に対する日本語教育実習、短期専門家・短期ボランティア派遣
としての海外での業務などを体験する機会もあります。コロナ禍においても授業は対面が中心。人と向き合い、直接やりとりをすることを大切に考えています

使って!この授業・この制度

 通常2年間の修士課程を3年間かけてじっくりと学ぶ「長期履修制度」を設けています。修士号取得を目指すと同時に教職科目を履修し、小学校から高校まで必要な免許を取得します。特に小学校の免許取得は、算数教育・理科教育を含む年少者教育に必要な知識・技術を身につけることでもあり、日本での教員を志す学生のみならず、教育協力の専門家を目指す学生には将来の大きな武器となります。

 学生派遣の奨学金制度を備えたグローバル教員養成プログラム、JICAと連携した各種プログラ
ム、地域と連携した帰国・在日外国人の学習支援なども実施しています。

学生(卒業生)の声

留学生に囲まれる充実した環境

岩井ゆふさん(大学院学校教育研究科 人間教育専攻 グローバル教育コース 日本語教育・日本文化分野 修士課程1年)

岩井ゆふさん(大学院学校教育研究科 人間教育専攻 グローバル教育コース 日本語教育・日本文化分野 修士課程1年)

 大学時代は英米学科で学び、高校の英語教師になりました。数年働いた後、教員スキルの向上を目指してワーキングホリデー制度を利用してカナダへ。ボランティアで日本語を教えた経験を通じてやりがいを感じ、日本語教師を目指すことにしました。「日本語教師養成420時間の通信講座」で必要な知識を身につけた後はオーストラリア、ベトナム、タイ、トルコで勤務。言葉も感覚も違う海外での体験は貴重なものでした。

トルコの大学にて

トルコの大学にて

 本学への進学を決めたのは、トルコの大学で働いた経験がきっかけです。教育に打ち込む一方で、自身の研究にも取り組んでいます。学会参加や勉強会開催などにも熱心な同僚の姿に刺激を受け、日本語教師としての資質を向上させたいと考えています。

日本語の補修を受けるJICA研修生

日本語の補修を受けるJICA研修生

 私の学ぶ「日本語教育・日本文化分野」では同級生13人のうち日本人は3人。海外留学生たちと英語でコミュニケーションを取りながら、日々さまざまな気づきと学びを得ています。本学修了後は再び海外で活躍したいと思う一方、地域在住外国人への教育支援にも面白さを感じる充実した毎日です。

学校データ

・名称:鳴門教育大学大学院学校教育研究科人間 教育専攻グローバル教育コース
・取得可能な学位:修士(教育学)
・定員:60人
・学費:入学金28万2,000円、授業料年額53万5,800円
※2022年度/大学ホームページをご参照ください。
・奨学金制度 : 日本学生支援機構のほか、大学独自の奨学金、地域支援団体の奨学金あり。
・所在地:〒772-8502 徳島県鳴門市鳴門町高島字中島748
・Tel :088-687-6131
・Mail:nyushidaigakuin@naruto-u.ac.jp

『国際協力キャリアガイド22-23』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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