文教大学|大学院国際研究科|国際協力が学べる大学・大学院

国際学を極める3領域と丁寧な指導

 新設の東京・あだちキャンパスに大学院生専用の研究室を構える文教大学院大学国際学研究科。グローバルな視点から考え、ローカルな場で実践できる”地球市民”の養成を目指して、「ディベロップメント・スタディーズ」「市民社会と地域デザイン」「ツーリズム(観光)」という3つの領域から多面的な視野で「国際学」にアプローチする。

 3領域のうち、「ディベロップメント・スタディーズ」は先進国・途上国という枠を超えて地球規模の課題解決に挑む国際協力や国際交流の専門家を、「市民社会と地域デザイン」は政策立案能力を求められる地方公務員や地域プランナーなどの専門家養成を目指し、「ツーリズム」は観光産業の担い手を育てる場だ。

 カリキュラムは、必修科目の国際学総論と基幹6科目をはじめバラエティに富んだ科目群から構成され、希望者は日本国際文化学会認定の文化交流創生コーディネーターの短期集中セミナーに参加できる。学位論文の執筆にあたっては、1年目は主指導と副指導の2人体制で指導を受けられ、2年目は3人の教員がつく。年2階の中間発表会では全教員から助言を得られるなど、手厚い指導で着実なステップが踏めるよう編成されている。

 現実世界を覆う根源的な問いや市民社会のあり方、グローバルに世界をつなぐツーリズムに目を向けて研究する人が集う国際研究学科。「国際学」が扱うフィールドは幅が広く、多角的な視点で個々の研究を突き詰めたい人を歓迎している。

わが大学が目指す2030年

 2021年4月に開設された東京あだちキャンパスは、団地再生プロジェクトが進む花畑地区に位置し、周辺環境との連続性をテーマに、大学から街へ広がる学びの風景「ラーニンググランドスケープ」を軸にデザインされています。自然エネルギーを活用した環境配慮型キャンパスは、一般社団法人環境共創イニシアチブの「平成31年度ネットゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業に採択され、快適な室内環境を実現しながら建物が消費する年刊の一次エネルギーの半減を達成しました。また、環境政策演習やサステイナブルツーリズム持論など環境分野の授業にも注力し、SDGs(持続可能な開発目標)やUSR(大学の社会的責任)を意識した取り組みを強化しています。

実践的な学びを深めたい人に

山田修嗣先生(国際学研究科 教授(所属:国際学部)産業社会学、環境社会学、持続可能な社会構築の研究が専門。市民社会やガバナンス特論などの授業を担当)

山田修嗣先生(国際学研究科 教授(所属:国際学部)産業社会学、環境社会学、持続可能な社会構築の研究が専門。市民社会やガバナンス特論などの授業を担当)

 建学の精神として「人間愛」を掲げる文教大学では、人と人が認め合い、思いやりのある社会の実現を目指しています。地域の自治体や市民団体との連携を大切にしながら、在日外国人への支援や地元学の推進などにも力を入れています。国際学研究科は、教員と院生および院生間の距離がとても近く、人間的なつながりを含めてより良い研究を目指す人におすすめです。私は社会学を土台に市民参加型のまちづくりについて研究していますが、実践的なフィールドを持ちながら「国際」をキーワードに学びを深めたい人を待っています。年齢や性別、国籍などに関係なくダイバーシティにあふれた環境下で学べる場所がここにあります。

使って!この授業・この制度

国際学研究科は、定員5人と小規模で、一人の学生に対するサポートが手厚いのが特徴です。院生室には個別に使用できる机や椅子、ロッカーなどがあり、学生は落ち着いた環境で研究に専念できます。一人一人の“体験知”を重視し、国内外のフィールドワークや学会参加のための費用を支給する制度もあります。これまでアフリカや欧州へ調査に出かけた人、教員のネットワークを活用して国際学会に参加した人などがおり、厳しくも充実した環境下で研究に没頭できます。修了後は公共機関や研究機関、企業、学校、NPOなどさまざまな職場で、専門性を生かして活躍しています。

学生(卒業生)の声

学際的な知見を深め将来に生かしたい

楊雨青(ヨウウセイ)さん(国際学研究科修士課程2年)

楊雨青(ヨウウセイ)さん(国際学研究科修士課程2年)

 中国・陝西省出身です。高校生の頃から日本文化に興味があり、中国の大学で日本語を専攻しました。東京の日本語学校に進み、さらに学際的な知見を深めたくて「国際学」が学べる文教大学に進学しました。国際交流課の職員や研究科の先生はやさしく、学業だけなく生活面でもお世話になっています。

学内での研究発表会

学内での研究発表会

 現在、日本のヴィーガンやベジタリアンについて研究しています。私は体調不良をきっかけに肉食をやめ、その後も自分の関心と直結する研究を進めることができ充実しています。日本のヴィーガンやベジタリアンたちが積極的に市民活動に取り組み、その街頭アクションやヴィーガン祭などへの参加を通して、彼らの情熱や努力を身近に感じています。ボランティアとして彼らの役に立てるのも幸せです。ベジタリアン団体のメンバーや市民活動に参加しているベジタリアンの人たちへのインタビュー調査を通じて、修士論文をまとめる予定です。

ヴィーガン祭の現地調査

ヴィーガン祭の現地調査

 将来は、企業でヴィーガン商品の開発やCSRに取り組むべく、さらに日本語に磨きをかけ、大学院での学びを生かした進路を考えています。

学校データ

・名称:文教大学|大学院国際研究科
・取得可能な学位:修士(国際学)
・定員:5人(入学定員5人、収容定員10人)
・学費:初年度約100万円(入学金含む)
・奨学金制度 : 研究者育成を目的とした給付型奨学金あり
・所在地:〒121-8577東京都足立区花畑5-6-1
・Tel:03-5686-8577(代)
・Mail:wcntct@bunkyo.ac.jp

『国際協力キャリアガイド22-23』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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