早稲田大学|大学院アジア太平洋研究所(GSAPS)|国際協力が学べる大学・大学院

学生の約9割が留学生、海外プログラムも幅広く

 早稲田大学大学院アジア太平洋研究科は、躍動するアジア太平洋地域を俯瞰的に理解し、その持続的な発展と地球規模の課題解決へ貢献できる人材の養成を目指して1998年に設立された。以来、数多くの国・地域から学生を受け入れ、研究成果を社会に還元できる高度な専門職業人を多数輩出してきた。

 カリキュラムの特徴は、日本語と英語によるバイリンガル教育。主要な科目は両言語で提供され、いずれの言語でも学位取得が可能だ。学生のおよそ9割を占める留学生とともに、多国籍・多文化の環境下で学ぶことができる。「地域研究」「国際関係」「国際協力・政策研究」の3領域が設けられ、学生は1つの領域に中心を置きながら他の領域の科目も履修することで、多様な角度から観察や分析の力をつける。

 本研究科は交換留学やフィールドワークなど海外での活動を積極的に支援し、交換協定を締結するアジア太平洋地域のトップスクールへの留学も可能となっている。また、アジア太平洋地域に焦点を当てた研究・教育を行うアジア太平洋研究センターが併設され、大学院生は本センターの各種研究プロジェクトなどに積極的に関わることで、それぞれの研究を発展させていくことができる。

 学部を持たない独立研究科であるため、教員が院生の指導に専念できる点も魅力。各研究分野をリードする研究者のほか、国際機関や外交の舞台で実務者として活躍してきた教授陣から実践的な指導が受けられる。

わが大学が目指す2030年

 早稲田大学は2021年秋に「WASEDA Carbon Zero Challenge 2030s」を宣言し、Co2排出量を削減するための「最先端研究」、カーボンニュートラルに貢献する「人材育成」、「キャンパスのカーボンニュートラル達成」という三位一体の活動を展開しています。

 特に「最先端研究」では、エネルギー高効率利用やゼロカーボンエネルギー供給、人間社会の変革、気候変動の科学、資源循環・カーボンリサイクルなどに関連する研究者や研究プロジェクトを結び付け、新たな技術革新の研究と政策、ビジネスマネジメントの専門知を終結。総合大学としての強みを生かした戦略的かつ全学的な研究を推進し、最先端の研究成果を広く伝える発信にも力を入れています。

主体的に学ぶ学生が多いのが特徴

松岡俊二先生(アジア太平洋研究科教授 環境経済学、環境政策論、国際環境協力論、政策評価論など)

松岡俊二先生(アジア太平洋研究科教授 環境経済学、環境政策論、国際環境協力論、政策評価論など)

 私のゼミは、学問を通じて世界の環境問題や貧困問題の解決を目指し、持続可能な地球社会の創造に貢献することをミッションとしています。地球規模の課題が山積する中、自分のやりたい仕事をしていくためには、正しいことを主張する強さと、それを証明する分析力や説明力が必要となります。学生の皆さんには、専門知識だけでなく、高い志と冷静な判断力、粘り強さ、そして柔軟な心を育んでほしいと思います。早稲田大学には主体的に学び、動く元気の良い学生が多く、修了後は国際公務員や国際協力機構、NGO、企業の職員、大学教員などとして活躍しています。

使って!この授業・この制度

 海外協定校への交換留学のほか、海外でのフィールドワークや共同研究などを支援します。アジアトップレベルの4大学とともに共同研究や発表を行う特別プログラム「東アジア共同大学院(EAUI)」への参加も可能。2020年からはブリュッセル自由大学への留学を通じて2つの修士号が取得できるダブルディグリー制度も導入しました。一般入試は年2回。在外公館勤務や青年海外協力隊、国際NGOなど国際協力活動経験者に向けた特別推薦入試も設けています。また、日本人の修士課程入学志願者を対象とした大学院アジア太平洋研究科奨学金(総額140万円)も魅力の一つです。

学生(卒業生)の声

途上国と日本地方再生を両輪で

松川希映さん(アジア太平洋研究科 修士2年)

松川希映さん(アジア太平洋研究科 修士2年)

 高校在学中、アフリカの元子ども兵や児童労働についての情報を見聞きする機会が多くありました。また、ブータン王国を訪れた経験も印象深いです。大学では途上国開発や日本の地方創生について学びました。

福島で中間貯蔵施設を見学

福島で中間貯蔵施設を見学

 その後、進路先としてアジア太平洋研究科を選んだのは、外国籍の学生が多く多様な価値観の中に身を置ける点に惹かれたからです。所属する松岡ゼミでは36人の学生(修士・博士)のうち、日本人は6人だけ。社会人経験を積んだ人も多く、多様な意見を聞けて視野が広がっています。本研究科の日英バイリンガル教育の仕組みは、日本人にとって英語でディスカッションするチャレンジであり、留学生にとっては日本語を学ぶ良い機会となっています。

原子力災害伝承館で話を聞く学生

原子力災害伝承館で話を聞く学生

 現在、途上国開発について学びながら、福島の復興に携わっています。将来は途上国で働きたいですが、日本の深刻な課題にも目を向けて研究を進めていく必要性も感じています。多様な人とのネットワークを大切にしながら、課題先進地としての日本の経験を世界で生かしたいです。

 

学校データ

・名称:早稲田大学|大学院アジア太平洋研究所(GSAPS)
・取得可能な学位 修士(国際関係学)、博士(学術)
・定員:修士120人、博士30人
・学費:修士315万2,000円(2年間総計)、博士293万4,000円(3年間総計)入学金、授業料、諸会費(学生健康増進互助会費)の総額(2023年度入学者向け)
・奨学金制度:大隈記念奨学金、小野梓記念奨学金、大学院アジア太平洋研究科奨学金ほか多数
・所在地:〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-21-1 早大西早稲田ビル7階
・Tel:03-5286-3877
・Mail:gsaps-admission@list.waseda.jp

『国際協力キャリアガイド22-23』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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