大型工事や復興支援など世界中で3000事業
インドネシア・ジャカルタ都市高速鉄道やモンゴル・新ウランバートル空港建設などの大型技術事業から、環境や防災の取り組み、復興支援まで、世界各国でさまざまな事業に関わってきたのが、総合開発コンサルタント会社のオリエンタルコンサルタンツグローバルだ。
同社の前身、オリエンタルコンサルタンツの海外部門は1957年の創業。14年に分社独立した。創業以来、150以上の国や地域で、政府開発援助(ODA)や国際機関の事業など3000を超えるプロジェクトに従事してきた。
社会インフラの初期調査から計画、設計、施工管理、維持管理、プロジェクトマネジメント、事業運営など総合的なサービスを提供するプロフェッショナル集団として、多くの知見と技術を有する。
その仕事への評価は高く、プロジェクトでは、FIDEC Project Awards’土木学会賞 田中賞 技術賞など、個人では、土木学会賞 技術功労賞や国際活動奨励賞など、国内外の賞を多数受賞している。
求める人材像は「受け身になることなく、主体的にものを考え、行動力にたけた人」「コミュニケーションをしっかり取り、協働して仕事ができる人」「型にはまらない自由な発想ができ、最後まで諦めない粘り強い人」。社員の自主性を重んじるとともに、修士・博士号、専門資格の取得もはじめ、社員の能力向上を積極的にサポートする。
大学生(2年、3年)、大学院生、高等専門学校生を対象にインターンも受け付けている。
当社の“2030年構想”
環境に配慮した建築で
コスト抑制や意識向上
現在、力を入れているのは、世界各国で手掛ける大学や病院、行政庁舎などの建築を、環境に配慮したスマートなものにすることです。太陽光発電パネルを取り付けるだけではなく、リサイクル資材の活用やビル全体のエネルギーマネジメントの提案もします。建物内に外の風を取り入れることや、エネルギー消費を減らす建物の形も考えます。
環境配慮を行うことで、建設費が増えることもありますが、省エネによるコスト抑制や、住民や利用者のイメージ向上のメリットを強調し、理解を得る努力を重ねます。
とくに重視しているのが大学で、学生たちが環境に配慮した建物を目の当たりにすることで、環境への意識を高めてほしいと考えています。
社員さんに聞きました
日本で得難い大型工事で
インドネシアにどっぷり
専門の港湾工学を活かす
大学時代、土木工学の講義の中でも港湾工学の内容が面白く興味を持ちました。その後、港湾や海洋工事を手掛けるマリコンでインターンをしたり、羽田空港のD滑走路工事を見学し、港湾工事への関心が高まりました。日本国内の土木工事では補修や延命の工事が増えており、新設の大型案件に携わりたいと考え、当社に入社しました。
入社3年目から現在まで、主にインドネシアの新港建設プロジェクトに関わっています。最初は、現地のワーカーとの向き合い方が分からず、何でも「これは現地語では何というの?」と聞いて言葉を覚え、指示の出し方やフォローの仕方を学びました。事務所で働いていた現地の人と2年前に結婚、イスラム教に改宗し、現地への理解も深まりました。
入社6年目に外周護岸工事の杭工事監理で試験施工や打ち止め管理を担当しました。地盤条件が悪くいろいろと悩みましたが業務は順調に進んでいます。機会があれば、大型案件だけではなく地方漁港整備のような地域密着の事業にも携わってみたいです。
略歴
・19歳:東京理科大学理工学部土木工学へ。港湾工事に興味を持ちインターンや工事見学
・23歳:大学院に進学し、さらに港湾工事へ関心を持つ。杭の横抵抗について研究
・25歳:オリエンタルコンサルタンツグローバルの港湾部へ。インドネシアの案件担当
・31歳:パティンバン新港開発事業の施工監理業務にて外周護岸の杭工事監理を担当
会社データ
・名称:株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル
・設立:2014年(創立:1957年)
・資本金:4億9,000万円
・従業員:1139人(2022年7月1日現在 (現地法人含む))
・本社:東京都新宿区
・海外拠点:フィリピン、インドネシア、ベトナム、タイ、ミャンマー、バングラデシュ、スリランカ、インド、カタール、マダガスカル、エジプト、モザンビーク、コートジボワール、ウガンダ、パナマ
・住所:〒163-1409 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー9階
・Tel:03-6311-7570(代)
・Mail:ocg-saiyo@ocglobal.jp
『国際協力キャリアガイド22-23』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)