株式会社国際開発センター/一般財団法人国際開発センター|国際協力に携わる企業

シンクタンクの老舗として総合力を発揮

 国際開発センター(IDCJ)は、経済界が中心となり1971年に財団法人として設立された開発・国際協力分野専門の総合シンクタンクだ。調査、研究、研修を柱として、政府開発援助(ODA)に関する政策や事業の軽視絵、実施、評価に携わってきたが、2010年に一般財団法人に移行するとともに株式会社を設立し、二法人体制となった。調査事業と人材育成事業を株式会社が、公益性の高い国際交流事業を一般財団法人が担当している。

 専門部やは行財政、地域開発、社会開発、農業開発、産業開発、運輸交通、評価など多岐にわたる。活動地域もアジア、アフリカ、中南米と世界各地に広がっている。

 売り上げの約9割は国際協力機構(JICA)から受託するODA案件だが、近年は民間企業や国際機関、NGOなどの案件も増えている。

 2018年にはSDGs室、19年にはビジネス開発部の礎となる部署をを新設し、企業向けのセミナーやコンサルティングサービスなど、独自の事業も展開している。

 開発コンサルタントとして豊富な実務経験を持つ人を研究員として採用する一方、経験の旭とは研究助手として採用している。助手は国内でのアシスタント業務の後、研究員へと昇格する道が開かれている。

 応募資格は、修士号を持ち、25歳以上で英語での業務遂行が可能な人。職員の男女比はほぼ半々で、裁量労働制を取り入れ、研究職の給与は個人業績により決定されるため若くても高い収入を得ることも可能だ。

当社の“2030年構想”

持続可能な開発のために
―東ティモールの経験

 IDCJは2016年~22年、日本工営㈱と共同で、JICA技術協力プロジェクト「東ティモール国持続可能な天然資源管理能力向上プロジェクトフェーズII」を実施しました。住民が自分たちの村の森林・水資源や土地利用の状況を把握し、将来に向けて保全または開発・改善していく地区を定め、それを実現するためのルール作りと運用、植林や持続的農業に係る技術習得を支援するものです。

 この支援プロセスは、Community-Based Natural ResourceManagement(CBNRM) メカニズムと呼ばれ、同国農業水産省に高く評価され、他の開発パートナーにも適用が進められているほか、JICAによる緑の気候基金(GCF)との連携事業として普及展開が図られています。

社員さんに聞きました

想定通りに進まない
ODA案件の難しさと
面白さが醍醐味

酒寄晃さん(社会開発部 研究員)

酒寄晃さん(社会開発部 研究員)

 現在、今年2月に始まったJICAの「パキスタン国学校活動と住民参加を通じたジェンダーに配慮した就学継続プロジェクト」に携わっています。同国の中でも就学率の低い州の貧しい家庭の女子の就学促進と継続を目的にしており、学校運営にコミュニティの参加を得ながら進める案件です。私は副業務主任者として、教育行政、教師教育、他ドナーとの協調などを担当しています。同州の公立小学校を対象にした初めての技術協力案件で、先方の行政機関や教員養成校などを当たって、例えば教員研修や教材を作成するといった活動を一緒に行うパートナーを見つけるところから進めています。

パイロット対象候補校にて算数教材を試行

パイロット対象候補校にて算数教材を試行

 ODA案件に携わって難しいと感じるのは、必ずしもこちらが思い描いていたスケジュールや内容に沿って動かないことです。相手国の政治情勢の影響を受けることや、文化や価値観が異なるため相手の活動内容へのこだわり方も変わってくるからです。一方で、ODA案件は遅滞なく進める必要があります。チームで次善策も考えてプロジェクトを進めていくことが大切で、これは今の私にとって大きなチャレンジです。

パイロット対象候補校の教員達との意見交換

パイロット対象候補校の教員達との意見交換

略歴

・20歳:数学教師を目指していた学生時代、先輩が南米を一周した話を聞き、海外に憧れる
・22歳:新卒で青年海外協力隊(理数科教師)に参加。ガーナで言葉や器具不足に苦労しつつ活動
・30歳:帰国後は高校教師などを経て、国際協力分野に進もうと広島大学大学院へ。修士号を取得
・32歳:IDCJに研究助手として入社。業務支援を担う一方、海外案件にも従事し、3年目から現職

会社データ

・名称:株式会社国際開発センター/一般財団法人国際開発センター
・設立:2010年(株)(一財)、1971年(旧法人)
・資本金 : 8,000万円(株)
・従業員 : 89人(株)、9人(一財)
・本社:東京都港区
・住所:〒108-0075東京都港区港南1-6-41芝浦クリスタル品川12階
・Tel : 03-6718-5932(株) 03-6718-5931(一財)
・Mail : recruit_r@idcj.or.jp (研究職)recruit_g@idcj.or.jp (事務職)

『国際協力キャリアガイド22-23』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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