株式会社TECインターナショナル|国際協力に携わる企業

水環境分野における開発課題の解決に貢献

 ㈱TECインターナショナルは上下水道・環境分野を専門とする開発コンサルタントだ。2012年、グループ会社の㈱東京設計事務所から海外事業部分社化し、今年で創立10周年を迎えた。世界60ヵ国以上で上下水道施設整備に関わる調査・計画・設計・施工管理や、水道事業体の経営・成長支援、人材育成などのサービスを提供している。

 高い技術力と誠実な事業実施で評価を受けてきた同社は、さらなる高みを目指した変革を続け、SDGsやグローバルイシュー、ポストコロナの分野複合的な案件への対応、また国際機関案件の受注拡大に向けた取り組みを強化している。

 「われわれの一番の目標は、安全できれいな水の供給を通じて、世界の人々の生活を改善していくことだ。今後も高度な知識や技術を使って、世界の至る所で、良好な水環境の創出や維持・修復を実現していきたい。このミッションはこれまでもこれからも変わらないし、我々の総力を集結して、グローバルな貢献を継続していきたいと考えている」と狩谷薫社長は語る。

 TECグループが求めるのは、変化に対応する柔軟性と、行動力、向上心のある人材だ。自身の専門性を生かしつつ、市場の変化に柔軟に対応し、常に自らを磨く姿勢を求めている。人材育成を重要施策と位置づけ、社内勉強会、グループ企業の研修プログラム、外部研修を積極的に実施中だ。また、自主性に主眼を置いた成長支援の仕組みとしてキャリアマネジメントツールを運用している。

当社の“2030年構想”

水道施設の省電力化や
下水汚泥使った発電も

上下水道施設の稼働には大量の電力が消費されるため、この削減が現在重要なテーマとなっています。送配水ポンプ効率の改善や、漏水などによる無収水の削減による省電力化に加え、下水処理で発生する汚泥の消化ガスを利用した発電、太陽光発電を活用した井戸ポンプの導入など、さまざまな切り口でカーボンニュートラル事業を推進しています。

 また、コンサルタントはこれまで図面や仕様書の印刷などで大量の紙を消費してきましたが、TECグループでは業務の効率化とCO2削減に向け、社内のペーパーレス化を進めています。以前から導入していたテレワーク化もこの取り組みの推進に一役買っています。

社員さんに聞きました

インドで目の当たりにした
水・トイレ環境に衝撃
インフラ整備で貢献願う

舘野慎司さん(技術グループ コンストラクション・マネジメントチーム)

 高専で建築の勉強をしていたとき、NGOのツアーでインドに行きました。井戸開発の手伝いをしながら、水環境やトイレの劣悪な状況にショックを受けました。将来、海外で水衛生に関するインフラの改善の仕事をしたいと思い、大学の工学部へ編入しました。土木工学や流体力学など、もともとの専攻とは異なる科目が多く、勉強に追われました。

パレスチナ・ジェニンでの水道調査

パレスチナ・ジェニンでの水道調査

 水関連のコンサルタント会社に入社し、日本国内の下水道の計画や設計に関わりました。今やっている仕事の礎のすべてを学びましたが、海外の仕事に携わる機会は少なく、コロナ禍で将来のことを考える中で転職を決意しました。

右から2人目が舘野さん

右から2人目が舘野さん

 現在は、パレスチナのヨルダン川西岸地区にあるジェニン市の上水道整備計画の準備調査に関わっています。新設する給配水管の計画案作成などが担当です。日本では1日1人あたり200ℓ以上の水を使いますが、現在の同市では約60ℓ。老朽化した水道管の更新なども行い、2030年までにこの量を150ℓ以上に引き上げ、生活向上を図ります。誰が喜んでくれるか、仕事の結果が見えやすいことが魅力です。

略歴

・18歳:インドへのNGOツアーで衝撃を受け、国際協力の仕事を漠然と意識する
・19歳:水関連のインフラの仕事に就くため、小山高専から中央大学理工学部へ編入
・22歳:水関連のコンサル会社で国内の下水道計画・設計に従事。現在の仕事の基礎に
・26歳:TECインターナショナルに転職。南スーダンやパレスチナの上水道事業を担当

会社データ

・名称:株式会社TECインターナショナル
・設立:2012年
・資本金:6,000万円
・従業員:47人(2021年10月現在)
・本社:東京都千代田区
・海外拠点:インド支社、ミャンマー事務所
・住所 : 〒100-0013 東京都千代田区霞が関3丁目7-1 霞が関東急ビル
・Tel : 03-3580-2418
・Mail : info@teci.jp

『国際協力キャリアガイド22-23』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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