日本工営株式会社|国際協力に携わる企業(21-22)

国づくりを担う日本最大手の開発コンサル

 世界160カ国・地域で、人々の生活に不可欠なインフラの整備や電力事業などを手掛ける日本工営は、2021年6月、創業75周年を迎えた。経営理念「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する」は、創設以来変わらない、社員一人一人の姿勢を示す言葉でもある。社会資本整備を通じて、時代の要請に応えながら国づくりの一翼を担ってきた。

 2020年の年間プロジェクト数9000件以上、売上高1122億円。日本最大手の開発コンサルティング企業は、戦後、日本の復興と発展を願う技術者たちによって設立され、卓越したアイデアやエネルギーが原動力となって飛躍的な成長を遂げた。特にこの10年で国内・海外に多数のグループ会社を持つ企業へと成長し、世界になくてはならない価値ある企業として存在感を放っている。

 世界は今、持続可能な開発目標(SDGs)の達成という共通の課題に直面しているが、日本工営のコンサルティング事業、都市空間事業、エネルギー事業は、すべてSDGsの達成に貢献する取り組みだ。新型コロナウイルス感染症の世界的大流行を経験した現在、働き方や暮らし方だけでなく、都市や地域に対する考え方が一変したが、変化を注視しながら視点や発想を切り替え、ビジネスインフラとしてデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進も加速させている。

 貧富の格差や気候変動など世界共通の課題解決に、いかに貢献できるか。日本工営は、SDGsの目標地点である2030年のさらに先を見据えて、企業の発展と社員の成長の両方の実現を目指している。多様性に富む環境下で世界の国づくりに貢献したい人に、ぜひ挑戦してほしい。

事業分野/採用情報

事業分野:水資源・河川、エネルギー、都市・地域開発、運輸・交通、防災、農業・農村開発、環境など

募集職種:技術系総合職(各種コンサルタント、電力設備工事など)、事務系総合職
募集人数:新卒は101~200人。中途採用は随時

わが社の働き方改革

トライアル期を経てテレワークを制度化

 近年、テレワークが注目されているが、日本工営では2016年に在宅勤務制度を導入し、ノートパソコンの貸与や情報ネットワーク機能の充実、事務処理の電子化などを整備してきた。2019年にはサテライトオフィス勤務制度を取り入れ、関東圏5カ所の施設で延べ150人以上が利用可能となっている(2021年6月現在)。いずれも一定のトライアル期間を経て制度化を実現。コロナ禍の影響が長引く中、対象従業員数や実施頻度の制限を撤廃した。

 一方、テレワークはコミュニケーションが希薄になりがちなため、オンライン会議を有効に活用。労務管理や成果の確認方法に一定のルールとツールを用いて運用している。

 従業員には「通勤時間を仕事や家族と過ごす時間に充てられた」などと好評だ。今後も従業員のワークライフバランスと生産性向上の両方の実現を目指していく。

社員さんに聞きました

地球環境事業部 環境技術部課長 齋藤 哲也さん

19歳 オーストラリアへ留学
東京大学在学中に休学し短期留学。他国からの留学生と森にキャンプに行き、自然の中で過ごす楽しさを知りました。卒論では森林分野の国際協力における参加型アプローチを主題に調査を行い、その中で日本工営を知りました。

23歳 東京大学大学院へ
農学生命科学研究科森林科学専攻。インドネシアの奥地で村長さんの家に住み込み調査を行いました。森林の専門家として働く道は「狭き門」で、他組織のインターンも経験しましたが、現場で働き続けるため日本工営へ入社を決意。

25歳 日本工営に入社
環境技術部に配属。マングローブ林の保全と貧困改善を目指すミャンマーのプロジェクトや、インドの住民参加型林業支援事業の計画策定などに従事。ミャンマーの事業には調査段階から実施段階まで長期にわたり携わりました。

33歳 環境社会配慮案件を担当
インフラ事業の増加に伴い、環境社会配慮に関する調査なども複数担当。高速鉄道事業では、候補ルートの選定に不可欠な情報として自然環境や住民生活への影響について調査し、より良い計画作りにつなげました。

35歳 気候変動対策専門家として
2013年、社内外で気候変動対策の機運が高まり、自治体や企業の温室効果ガス削減技術や経験を海外へ伝える事業を手掛けるように。2014年から気候変動対策や再生可能エネルギープロジェクトのチームリーダーも担っています。

PROJECT FOCUS

国際会議の場でも活躍する開発コンサルタント

日本の技術を温暖化対策に

 地球温暖化の課題が深刻化する中、日本工営はさまざまな事業分野で気候変動に関連したコンサルティングサービスを提供しています。私は2019年に経済産業省の「途上国における適応分野の我が国企業の貢献可視化事業」の総括を任され、途上国の気候変動適応事業において日本企業の貢献の可能性を探るとともに、スペインで開催された国連気候変動枠組条約第25回締約国会議(COP25)で、気候変動適応に関するサイドイベントを開催し、日本の技術の先進事例を紹介しました。

 多くの企業がビジネスを通じた環境課題の解決に取り組んでいますが、企業の海外展開にあたっては政府のサポートも効果的です。官民両者の事情、立場やニーズを理解し支援ができるのが、私たち開発コンサルタントの強みです。5年ほど前から中南米で案件形成を支援し始めた日本企業の気候変動関連プロジェクトが今、着々と動きだしています。今後は脱炭素、水素エネルギーや、気候変動に脆弱(ぜいじゃく)な島嶼(とうしょ)国への協力にも力を入れていきたいです。

企業情報

設立:1946年
資本金:74億8,000万円
従業員数:5,702人(連結)、2,397人(単独)
本社:東京都千代田区
海外拠点:アジア、中南米、アフリカ、中東などに46拠点
住所:〒102-8539 東京都千代田区麹町5-4
Tel:03-3238-8030
Mail:personnel@n-koei.co.jp
HP:https://www.n-koei.co.jp/consulting/

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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