北海道から九州まで全国7キャンパスに19学部を展開する東海大学。1942年の学園創設時から「文理融合」の精神を重視し、文系・理系の枠にとらわれない総合的な知識と技術、発想力養成に力を入れている。
全学的な共通目標は「世界のQ O L( 人生の質) の向上」。自分だけでなく、より多くの人の幸福に貢献できる人材を育てるため、学部や研究室の垣根を超えたさまざまな研究が進められている。例えば、災害に備える対策の一環として、国内外から注目を集める「グローカル・モニタリングプロジェクト」では、情報理工学部、情報通信学部など複数の学部の研究者が協働。衛星観測(グローバル)の研究とSNS(ローカル)の研究を掛け合わせ、災害時により多くの命を守る一助となるシステムの開発を進めている。
総合大学ならではの多彩な学生が共生するキャンパスには、近年海外からの留学生が増えている。なかでもICTの高度な技術と実践的な応用力を養成する情報理工学部は、人気学部の一つ。人工知能(AI)やデータサイエンスなど情報処理を幅広く学び、新しい仕組みを考える「情報科学科」と、コンピュータの高度な運用・応用技術を学ぶ「コンピュータ応用工学科」の2学科があり、理学と工学の両面から最先端の情報技術を研究している。
2022年4月、建学80周年を迎える東海大学は、全学的な改組改編を予定しており、情報理工学部には「情報メディア学科」が新設され3学科となる予定(設置構想中)だ。
多分野で活躍できる「情報系技術者」を目指す人、技術を軸に世界で活躍したい人は、ぜひ情報理工学部へ!
先生に聞きました!
情報理工学部 教授
内田 理先生
災害情報処理、ソーシャルメディアを専門としている。
日本は世界有数の災害大国です。情報科学の力で社会の課題解決を目指す私の研究室では、近年、「災害情報処理」の研究に力を入れ、災害時の被害を減らす“減災”を目指しています。
特にTwitterなどのソーシャルメディア(SNS)を用いた災害情報共有システムの構築や災害情報の可視化に注力し、開発した災害情報共有システム「DITS」は、自治体の防災訓練や学校の防災教育などで活用されています。
東海大学では総合大学の強みを活かして、産官学連携による研究活動を推進しイノベーションの創出に貢献する「研究の峰」の構築を進めていますが、DITSの開発はその1ユニット「グローカル・モニタリングプロジェクト」の一環です。このユニットは、私たちが進めるSNSの減災応用だけでなく、人工衛星データを利用した災害時の被害推定や津波の浸水シミュレーション、災害時にも利用可能な通信システムなどの研究で大きな成果を上げています。
世界中で災害が頻発するなか、近年、災害情報処理について学びたいと来日する留学生が増えています。強い目的意識や多様なバックグラウンドを持つ留学生や、経験豊富な大学院生と一緒に研究できる環境は、学部生にとって大きな魅力です。
学会や海外の大学などで研究発表する機会も多く、語学力の向上や人間的な成長にもつながっています。
また、情報理工学部では毎年、ヤフー株式会社とともにプログラミングコンテスト「Hack U 東海大学」を開催しています。コンテストを目指してチーム単位で技術や発想を駆使したものづくりに挑戦する過程で、技術力や応用力、コミュニケーションの力が身に付きます。
激変する世界で今求められているのは、「情報」や「機械」を人間との関係のなかで捉える視点です。技術を実社会で役立てるためのカリキュラムが充実している本学部で、一緒に未来をつくっていきましょう。
学生さんに聞きました!
大学院工学研究科電気電子工学専攻 修了 松尾 拓歩さん
東海大学情報理工学部から大学院工学研究科に進学し、計6年間、湘南キャンパスに在籍しました。内田研究室に所属し、トラックの車載カメラを用いて災害被災地の状況を可視化するシステムを考案。この研究は、2019年に韓国で開催された国際学会のWebアプリコンテストにおいてSilver Award(優秀賞)を受賞しました。また、大学の国際インターンシッププログラムでタイのモンクット王ラカバン工科大学を訪れた際にも、この研究について発表しました。自然災害が多発するなか、災害時に被害の状況をいち早く把握することが求められていますが、このアプリの実用化に向けて企業の皆さんと話し合いを重ねた経験からは、多くの学びがありました。
東海大学では、さまざまな学部の学生や各国の留学生と気軽に交流する機会があり、楽しい学生生活を過ごしました。今春から、大学で学んだプログラミングのスキルを活かして、IT機器のメーカーで働いています。将来は海外の仕事を手掛ける部署にも挑戦したいです。
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