<技術協力>
給水事業と衛生啓発を連携させ
「手洗い」、「うがい」の習慣化へ
スーダン共和国で実施された「州水公社運営維持管理能力強化プロジェクト」は2016年2月から2020年2月まで実施予定であったが、世界的な COVID-19の感染拡大で 2年間延長された。
そして、本プロジェクトではコロナ期における緊急支援として、機材調達、研修支援および白ナイル州のタンダルティ病院(裨益人口:約 15 万人 ) とエルシディーグ病院 (裨益人口 :約 12万人)の給水改善と衛生啓発を実施した。
主な活動としては、①病院給水施設の現状確認調査、②井戸改修、③機材調達と設置、④関連する配管工事、⑤衛生広報・啓発などを
ローカルスタッフと連携しながら日本からの遠隔で実施した。また、施設完成後には中核的な地方病院の給水施設が改修され、病院内の衛生環境が大幅に改善したことに対し、白ナイル州保健省からプロジェクトへの感謝状が届けられた。
COVID-19 の感染対策としては当初よりマスク着用の他に「手洗い」や「うがい」が奨励されてきた。しかしながら、先進国では当然とも言えるこれらの行為に対して、スーダンをはじめとする開発途上国の地方部では一般家庭のみならず地方病院や学校、モスクなどへの安定した飲料水供給が実施できていない。その結果、「手洗い」や「うがい」を日常的に実施できない環境にある。
このような状況において、日本からの遠隔による緊急支援で水と衛生分野との連携の成果を白ナイル州の地方病院を事例に実施することができた。
途上国には未だに数多くの病院や学校などに満足な給水施設が整備されていないことから、今後は分野をまたいだこうしたアプローチが、ますます重要になってくるだろう。
■コンサルティング
・(株)地球システム科学