日本福祉大学|大学院国際社会開発研究科 国際社会開発専攻 修士課程(通信教育)|大学院福祉社会開発研究科 国際社会開発専攻 博士課程(通信教育)|国際協力が学べる大学・大学院

現場と開発学をつなぐ通信制大学院

 日本で最初の福祉大学として1957年に設立された日本福祉大学。「地域に根差し、世界をめざす、ふくしの総合大学」をモットーに、研究と教育、社会実践を一本化した取り組みを進めている。

 2022年に創設20周年を迎えた国際社会開発研究科は、主に開発途上国の社会課題に対して、確かな方法論と論理性をもって解決に挑む専門職業人の育成を目指す。世界のどこにいても学べる「通信制」、開発分野で活躍する教授人らによる「国際的なスクーリング」、そして豊かな「人的ネットワーク」の3つが特徴。院生の多くが社会人で、それぞれの経験を開発学の枠組みで体系的にとらえ、専門的な洞察力や判断力、コミュニケーション能力を養う。

 また、福祉社会開発研究科は、「福祉社会開発学」という新しい学問領域の創造に挑む、博士課程だけで構成されたユニークな総合大学院で、その中の国際社会開発専攻は、通信制を生かして、世界各地の開発実務者に論理的考察の場を提供する。教員は、社会開発分野の現場出身の研究者が多く、海外の大学や各地のリソースパーソンとも連携するネットワーク型の指導体制が築かれている。

 誰もが個々の生活能力を身に付け、自らの福祉を向上させる社会のために、現場と理論を往復しつつ、洞察を磨き続けられる人材が今、求められている。両研究科では、海外だけではなく、日本の都市部や地方で市民参加型の地域づくりや多文化共生の実現を目指す人も歓迎している。

わが大学が目指す2030年

 国際社会開発研究科では、持続可能な開発の達成に向けて、教員の多様な専門領域を生かした研究指標に取り組んでいます。中でも千頭聡教授の「環境と開発」リサーチでは、トンガにお帰る廃棄物管理といった直接的な取り組みから、ラオスにおける持続可能な観光開発やESD(持続可能な開発のための教育カリキュラムの開発)まで、さまざまな切り口から持続可能な社会の実現に向けた研究を後押ししています。

 国際的な開発現場と国内の福祉現場の課題解決を目指す実践的研究において、本研究科が重視する「自らの前提を問い、相対化する姿勢」は、ゼロカーボンの実現に向けて必須となる、一人一人の暮らしやライフスタイルの見直しにも通じる考え方です。

ICTを活用した教育と交流

佐藤慎一先生(国際社会開発研究科教授 教育工学、ソフトウェア工学。主な研究テーマは情報通信技術の教育への適応、教育の情報化など)

佐藤慎一先生(国際社会開発研究科教授 教育工学、ソフトウェア工学。主な研究テーマは情報通信技術の教育への適応、教育の情報化など)

 社会人学生が多く在籍する両研究科では、それぞれの主体的な学びを支えるため、インターネットを活用した教育や研究指導を行っています。科目ごとの掲示板では、院生からの質問や疑問に、教員が迅速かつ丁寧に対応します。教員の多くは、国際機関や二国間協力などでの豊富な実務経験をもち、“実践知”に基づく講義や指導が魅力です。

世界中で学習者中心の学びが模索される中、私は民間企業でのシステム開発経験をもとに、JICAの草の根技術協力事業など国内外の教育や福祉の現場で情報通信技術(ICT)の効果的な活用を支援しています。一緒に社会課題の解決に貢献できる知見を積み重ねましょう。

使って!この授業・この制度

国内外でフィールド調査を希望する学生に対し、計画からサポートして単位化する「特定地域開発研究」は多くの社会人院生が活用する人気の制度で、円滑な論文作成につながっています。論文指導も講義科目もウェブ上で行われる独特の仕組みは、コロナ禍でも変わらず授業が開かれる安心感があり、時差のある国からの入学者も少なくありません。

 ウェブ掲示板での日常のやりとりに加えて、指導教員によるオンライン相談、特定言語で単位取得が可能な科目の設置、海外派遣や育児などを考慮した3年間の長期履修プログラムなど、一人一人の事情に応じた修了までの道筋をサポートしています。

学生(卒業生)の声

福祉を学び会社経営に活かす

王 淅(ワンシー)さん(国際社会開発研究科 国際社会開発専攻 2022年修士課程修了上海颢文商務服務有限公司 代表取締役)

王 淅(ワンシー)さん(国際社会開発研究科 国際社会開発専攻 2022年修士課程修了上海颢文商務服務有限公司 代表取締役)

 中国の四川省出身で、1998年から10年ほど日本の企業で働きました。2014年に上海に戻り、日本貿易振興機構(JETRO)の海外投資アドバイザーを経て、経営コンサルティング会社を立ち上げました。

日本企業のイベントに参加

日本企業のイベントに参加

 日本福祉大学に入学したのは2020年。独立後、クライアント企業から福祉事業への進出について相談される機会が増え、福祉について学ぼうと決めました。本大学院は通信制で、上海で働きながら学べる環境が魅力でした。仕事と学業、そして家族のケアの両立は大変でしたが、先生や職員の方が親身にサポートしてくれました。修士論文のテーマは、「中国における高齢者の社会参加の持続可能性の条件と課題」。コロナ禍でスクーリングには参加できませんでしたが、オンラインでの個別指導やゼミ生とのディスカッションの機会もあり、充実した2年間でした。

上海での仕事の様子

上海での仕事の様子

 将来、博士課程で学ぶことも考えています。生涯現役で働きたいと考える人は多いと思いますが、誰もが元気で生きていける社会をつくりたい。そのために、激変する社会の動きをとらえながら、人や組織の悩みを解決できる存在になりたいです。

学校データ

・名称:日本福祉大学大学院国際社会開発研究科 国際社会開発専攻 修士課程(通信教育)大学院福祉社会開発研究科 国際社会開発専攻 博士課程(通信教育)
・定員:修士25人、博士4人
・学費 : 71万140円(初年度、入学金など含む)
・開講形態 : 通信制(修士はスクーリングあり)
・奨学金制度 : あり(日本学生支援機構の奨学金)
・所在地:〒460-0012 愛知県名古屋市中区千代田5-22-35
・Tel:052-242-3050(日本福祉大学名古屋事務室)
・Mail:isdjim@ml.n-fukushi.ac.jp

『国際協力キャリアガイド22-23』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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