写真:推進工法による地中での掘削と推進管の埋設工事
<無償資金協力>
漏水を一掃し給水サービスを抜本的に改善
ミャンマー
ヤンゴン市上水道施設緊急整備計画
コンサルティング:(株)TECインターナショナル
施設建設:戸田建設(株)
ポンプ更新:(株)酉島製作所
ミャンマーの旧首都・ヤンゴン市は約510万人が居住するが、そのうちの約42%がヤンゴン市開発委員会(YCDC)の上下水道サービスを利用している。2012年3 月、日本の経済産業省がYCDCのサービス改善のための調査を行い、優先すべき事業としてニャウフナッピン浄水場のポンプ更新と、同市内のほぼ中心にあるヤンキンタウンシップの老朽配水管の更新を挙げた。
この浄水場はヤンゴン市の総給水量の約4割を担うが、4台の送水ポンプのうち2台が故障したままだった。また、ヤンキンタウンシップでは、配水管の老朽化による漏水が50%を超えるほど深刻で、水の噴出に伴う交通渋滞も頻発していた。同市の人口は増加傾向にあり、水需給は逼迫していたが、YCDCの独自予算による施設の更新・整備は困難であった。同国政府は日本に協力を要請し、13年9月に本計画が始動した。
配管の更新は、配水池からダウンタウンに送水する大口径(主管直径1,000mm、他に側管2本)の配管工事(延長2,982m)と同タウンシップ内の配水管工事(延長12,842m)の2つのコンポーネントから構成された。大口径の配管工事では、幹線道路を横断する際には推進工法が採用されたが、これは、通常の開削工法では交通を遮断しなければならず、交通量の多い幹線道路の機能に極力影響を与えないための配慮であった。
また浄水場へ新たなポンプ場を建設し、4台の送水ポンプを新設置する工事も同時に行われ、16年5月にプロジェクトは完了し、対象地域ではきれいな水がほぼ一日中利用できるようになった。今後は、水道料金収入が増え、YCDCの安定的な経営と健全な給水サービスがもたらされるものと期待される。
『国際開発ジャーナル』2019年1月号掲載
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