<JIN>
途上国の人々に真摯に向き合う

その土地に生きる人々に寄り添うことを大切にしている(ウガンダにて)

 

 POINT 
・南スーダンの農業開発基本計画
・中小企業支援を積極的に展開
・国内事業や震災復興支援に注力

 

日本人は、私たちと一緒に歩んでくれるんだね――。開発途上国の現場で言われたこの言葉は、JINが大切にし、実践してきた思想そのものである。同社は、代表取締役の大野康雄氏が、「途上国のために人生をかけたい」と志す仲間と共に2011年に設立した企業だ。これまで、南スーダン、ウガンダ、キルギスなどでプロジェクトの実績を持つ。複数の国際援助機関が関わる難易度の高い案件でも、存在感を示してきた。最近では、中小企業支援や震災復興支援など、業務の幅が広がっている。同社の最大の特長は、途上国に対して常に真摯に向き合う姿勢にある。例えば、理論や分析ツールを用いてアプローチを始めるのが効率的だと思われる事案でも、同社ではまず、現場に出て、人々の声に耳を傾けるなど、住民の生活に寄り添うことを優先する。そこに生きる人々と同じ目線になることで、初めて分かることがあるからだ。「人々が直面している状況はそれぞれに全く異なる。過去に成功したアプローチが無意味なことだってある。きれいなアウトプットを上から提案するだけではダメ。できるかぎり現地の人々と一緒に歩きながら、問題解決に向けて謙虚に泥臭く取り組めるコンサルタントを育てたい」と大野代表は強調する。採用活動では、応募者の根本的な価値観や軸を重視している。「途上国のために何をしたいのか、そして今の自分には何ができて、何が足りないのか」ということを徹底的に見つめ、行動できる人材を随時求めている。

 

 企業情報 
<h5=”background-color:#48d1cc;”>設立:2011年
資本金:1500万円
従業員:15人
本社:埼玉県さいたま市
事業分野:農業/農村開発、保健衛生、自然環境保全、社会配慮、ジェンダー、中小企業支援、人材育成

 採用情報 

募集職種:開発コンサルタント(通年)、若手スタッフ(不定期)
募集人材:文系、理系、中途、学士、修士

 

 社員に聞きました! 

 

石川 渚(いしかわなぎさ)さん
事業部
(英ロンドン大学衛生熱帯医学校卒業)

<これまでの主な担当プロジェクト>

・北部ウガンダ生計向上支援プロジェクト
・大学での研修講師
・ナイジェリア栄養改善の詳細計画策定調査

 

23歳

中央大学経済学部を卒業。民間企業に就職

25歳

青年海外協力隊の村落開発普及員(現コミュニティ開発)としてザンビアで活動

 協力隊時代 

ザンビアで、HIVや性感染症の予防啓発活動に取り組みました。特に若い世代への保健教育の強化の必要性を感じ、学生への保健知識の普及を行いました。それと同時に、健康に暮らしながら自分の目標を実現する大切さを考えてもらえるように努めました。日々試行錯誤の中での活動だったので、より体系的に学びたいと考え、留学を決心しました。

28歳

世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局でインターン

 協力隊から帰国後 

協力隊時代に『国際協力キャリアガイド』でJINの記事を目にし、現地の人々に寄り添う姿勢を大事にしていることが強く印象に残りました。ザンビアで所属していた「国際協力塾」で知り合った方に大野代表を紹介していただき、帰国後すぐにJINを訪問して、隊員活動中の疑問や悩みを相談しました。コンサルタントになるには、今後どのような知識や経験を身に付けていくべきか、アドバイスもいただきました。

29歳

英ロンドン大学衛生熱帯医学校に留学

30歳

JINに入社

 現在 

留学先で途上国の公衆衛生について勉強した後、JINに入社して、ウガンダ北部の生計向上支援プロジェクトに栄養改善の専門家として参画しています。現地の人々に食生活と栄養改善の大切さを伝えるため、農村を訪ね歩いて得られた情報をもとに研修教材を作成し、現地の普及員に伝えています。

 

印象深いプロジェクトや業務は?

「机上で考えないで、農民の生活を知り、その中から解決策を探しなさい」。これは、ウガンダの案件で栄養改善を担当する際に上司から受けたアドバイスです。何度も農民のもとを訪問して分かったのは、この地域では次の収穫の前に食料の蓄えが尽きてしまうということ。「それなら、作付面積を増やそう」と考えがちですが、荒れた土地の開墾は想像以上に厳しいのが現実でした。農民の実情を知らずに「もっと作りましょう」と言うことが、いかに無責任であるかを痛感し、この経験を生かして、彼らの生計向上に役立つ研修教材を作成しました。現
地では「とても分かりやすい」と評価を得ています。

 

この仕事を目指す読者へ一言

「私でもコンサルタントになれますか?」という質問を多く受けます。大学院進学や海外経験を積むことを考えると、時間的な制約も不安なようです。私も同じ思いや不安を持ちつつ進んできましたが、一つ一つの経験が積み重なり、今また途上国の人々と一緒に仕事ができています。諦めず、ぜひチャレンジしてみてください。

 

<Company Data>

(株)JIN
代表者 代表取締役 大野康雄
〒330-0844 埼玉県さいたま市大宮区下町2-18 TS-3BLDG.2階
TEL 045-222-3400 Email info@carbonfree.co.jp

 

『国際協力キャリアガイド2017-18』掲載
『国際協力キャリアガイド2019-2020』はこちら
『国際協力キャリアガイド2018-2019』はこちら

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