2020年国際協力キャリアガイド:
北海学園大学

 

学校紹介「北海学園大学 人文学部」

   札幌市の中心部に2キャンパスを構える北海学園大学は、2020年、学園創立135年を迎えた。道内最古・最大の私立総合大学の歴史は、北海英語学校として始まり、その「開拓者精神」は今も脈々と受け継がれている。
 「大学ブランド力」ランキングで道内私大6年連続1位の評価を受けており、近年はグローバルとローカルが交差する国際都市・札幌の地の利を活かしてグローカルに活躍できる人材の育成に力を入れている。
 在校生は約8400人。卒業生は約9 万人に上り、北海道の企業や自治体をはじめ、国内外の多様な業種で活躍している。
 自由な校風を背景に、演劇やよさこいソーランといった文化系サークル活動も活発で、俳優の大泉洋氏や株式会社ニトリの創業者など、卒業後に文化・ビジネス界で才能を発揮する人材も少なくない。
 文系・理系5学部12学科のうち、「文化を学ぶ、世界とつながる」をモットーに人文学の全領域をカバーするのが、人文学部だ。日本文化学科と英米文化学科の2学科に分かれているが、日本や欧米に限らず、興味・関心に応じて分野を選び、追究できる環境が整っている。特に、テキストを読むだけでなく、講義や演習で身に付けた知識をもとにした国内外での体験型授業にも力を入れている。 
 北海学園大学は、カナダ、中国、韓国、ロシア、モンゴルの5カ国に10の協定校があり、意欲ある学生の留学をサポートしている。全学生を対象とした各協定校での夏期研修と短期派遣の制度があるが、人文学部にも独自の国際文化特別演習がある。いずれも在籍したまま参加できる。

 

先生に聞きました!

人文学部 教授
寺田 吉孝先生
ロシア語学、ロシア語教育;ロシア語学習支援教材の開発、ロシアとその周辺の言語と文化の研究を
行っている。

 北海学園大学が協定を結ぶ海外10大学のうち、4校はロシアにあります。このうち例えばモスクワから約200km離れたヴラヂーミル大学は、12 ~ 13世紀にロシアの中心だったヴラヂーミル市にあるため、地域の歴史を感じながら、言語や文化をより深く学ぶことができます。
 まだまだ混迷を続けるロシアは、日本に比べて生活水準が低く、不便な面があります。しかし、日本や欧米と比べ、人は大らかで素朴なところもあります。北海学園大学は、協定校との連携やサポート制度を通じて、普通の住民との交流を促進させ、地域の現実を自分の目で見て、聞いて、実感できるような留学を後押ししています。
 英語でのコミュニケーションはもちろん大切ですが、それ以外の言語の習得は、より広い視野を持って世界の現状を理解する大きな一歩となります。本学では英語以外の言語として、ドイツ語やフランス語、中国語、ロシア語、韓国・朝鮮語を4年間通して学ぶことができます。いずれも「基礎」「会話」「世界の言語と文化」「文化演習」「言語演習」など体系化された教育プログラムがあり、複雑多様な世界を知るための手掛かりになります。
 留学で鍛えられた学生たちの多くは、一人で大胆に地球を歩くノウハウを身に付け、帰国後も国際交流に積極的です。
 北海学園大学では留学生を受け入れ、教員らのネットワークを通じて道内外で文化交流事業を展開してるので、日本の学生が自国の言語や文化などを伝えながら多様な学びを得られるチャンスも広がっています。
 留学などを経験した学生たちは、卒業後、海外に関わる仕事に就く人もいます。ロシア語を学んだ先輩たちのなかには、商社マン、通訳、外交官、警察官(国際捜査担当)などロシア語を使って働いている人や、国際交流のNPOを立ち上げた人もいます。卒業生の密なネットワークも北海学園大学の魅力の一つです。
 


学生さんに聞きました!

工学部 電子情報工学科 3年 柿崎 愛深さん

 所属する電子情報工学科では、実験やプログラミング実習など、充実したカリキュラムが組まれていますが、個人的な知的好奇心から、入学以来ロシア語に注力しています。大学のプログラムで、これまでに2回ロシアの大学に留学しました。最初の滞在では得られなかった、自立した生活に必要な語学力を習得すべく、2度目の留学では会話力とその実践に力を入れました。留学には多少費用がかかりますが、派遣先の大学では授業料や寮費が免除されます。英語だけでなく、ロシア語を使うことで、より多くの人と等身大で向き合えると実感しました。
 帰国後は大学や地域のネットワークを通じて、北方四島交流事業でガイドや通訳を務めたり、スピーチコンテストに出場したりと、留学の成果を自分なりに還元しています。ロシア語検定試験B2(大学院入学レベル)合格を目指して、目下勉強を続けています。卒業後はIT技術者などとして日本の企業で経験を積み、いずれはロシア語圏の技術者として働きたいと考えています。


『国際協力キャリアガイド2020-21』掲載

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