「桜美林大学大学院 国際学研究科」
国際学研究科国際協力専攻の目的は、国際社会の変化に柔軟に対応できる思考と行動力を併せ持つスペシャリストの養成だ。国際協力における多角的な知識が身に付くよう、講義科目は基礎から高度な専門的内容まで幅広く用意されている。国際政治や国際法といった科目はもちろん、理系・文系をまたぐ環境分野、移民や多文化に関する教育・研究にも力を入れる。実習科目では、青年海外協力隊への派遣、国際機関やNGOでのインターンシップなど、現場に触れることで問題意識の向上、課題解決の手法の習得を目指す。また、そうした活動経験をまとめた研究成果報告による修士号の取得も認めている。
先生に聞きました!
国際学研究科・国際協力専攻 福田 潤 教授
2010年に世界で約5億人だった65歳以上の人口は、2070年に20億人に達すると予想され、その半分はアジアに集中しています。もはや高齢化は日本だけの問題ではなく、時代に合わせて国際協力の中で解決していくべき問題と言えます。少子高齢化社会のトップランナーである日本がリーダーシップをとれば、国際社会で欠かせない役割を果たす大きなチャンスになります。病気の予防や健康増進も重要になるので、中国の漢方や太極拳、脳を使うマージャンといったアジアの有益なアイデアを集めて、できるだけ健康に最期まで自分らしさを失わずに生きるための多様なプログラムを作ることが求められます。福祉事業に日本や欧米の民間ビジネスの知恵を取り入れ、さらにアジアの知恵を生かしたユニークなサービスを実現する人材を育てたいと考えます。
学生さんに聞きました!
国際学研究科・国際協力専攻修士課程1年 倪 雨嘉(ニ・ウカ)さん
中国の西安外国語大学を卒業後、1年半ほど中国の銀行に勤務していました。しかし、社会に出て女性への性差別や賃金格差などの問題に直面するとともに、公務員として福祉の現場で働く母親の姿を見るうちに、「自分も福祉の問題に取り組んでみたい」と考えるようになりました。
大学時代は金融会計を専攻しながら日本語を学び、交換留学で金沢の北陸大学に在籍していたこともあって、福祉の先例が多い日本で学ぼうと再び来日しました。1年ほど他の大学で日本語・日本文化を学びながら大学院を探していた時、桜美林大学に通っていた友人の勧めで大学院の説明会に参加し、福祉のスペシャリストである福田潤教授のお話を聞いて、本学への進学を決めました。講義やゼミは少人数で行われており、研究室も2〜3人程度が多いようです。そのため、先生との距離がとても近く、何でも相談しながらじっくり研究できる環境が整っています。
中国政府は昨年、「一人っ子政策」を廃止しましたが、一方で社会に出て働きたいと考える女性が増えています。そこで、大学院では女性の視点から中国の少子高齢化を研究することに決めました。まさに日本が直面している少子高齢化への取り組み、そして新たなアプローチをしっかり学び、将来は母と同じように中国の福祉の現場で活躍したいと考えています。
コメント