2021年国際協力キャリアガイド:東海大学

 

学校紹介
「東海大学 国際学部国際学科 *2022年新学部開設」
北は北海道から南は九州まで、全国にキャンパスを有する東海大学は、建学80周年にあたる2022年4月、「日本まるごと学び改革実行プロジェクト」と題した全学的な改組改変を構想している。建学以来掲げてきた文理融合の理念を継承し、現在のキャンパス構成を見直して「カレッジ制」を導入。学びから就職活動までワンストップでサポートできる体制を整えている。東京キャンパス(高輪)に新設される国際学部では、教養学部に設置されていた国際学科を独立発展させ、グローバル社会を理解するためのスキルとツールを身に付ける。1、2年次を全学生が集う湘南キャンパスで、3、4年次を情報通信学部などの学生と共に東京キャンパスで学び、語学やIT、分析能力のスキル、複雑な社会を多面的に捉える視点を養う。キャンパスには、アジアやアフリカ、中東などからやってきた留学生をはじめ、学年や学部・学科を越えて多様な学生が集い、多言語で活発に議論したり、チームで社会貢献プロジェクトに参加したりすることで、世界のリアルや多様性を自然に受け入れる「懐の広さ」が育っている。ブラジルや中国、韓国、欧米など全世界で実施される海外研修は、テーマパークで行われるインターンシップ、ハワイで移民の歴史を学ぶプログラムなど多彩な内容がそろう。経験を通してより実践的な語学力やコミュニケーションの力を高めていく。卒業後は、国際機関や政府機関、NGOなどの国際協力分野の他、商社やメーカー、観光といったグローバル企業で活躍する道が開かれている。日本語教育の副専攻もあり、日本語教師になる人や日本国内で多文化共生社会の担い手として活躍する人も多い。

 

 

先生に聞きました!

教養学部国際学科 准教授 田辺 圭一先生


世界食糧計画(WFP)や国連PKOの職員として、ミャンマーやアフガニスタン、南スーダンで紛争後の復興を担う仕事をしました。現場での経験をもとに、世界の課題をよりリアルに実感し、立体的な理解につなげる教育を心掛けています。担当する授業「人間の安全保障」は、東西冷戦が終わって数年経った1994年に国連で取り上げられた言葉で、一人一人の人間に焦点を当て、現在の多様性を尊重する考え方に結び付いています。国際学科の学生は好奇心旺盛で、英語圏に限らず多様な国で海外研修やインターンに参加しています。国内の課題に目を向け、在日外国人の子どもたちに日本語を教えながら、日本語教師の資格取得を目指す学生もいます。東海大学は規模が大きいですが、少人数のクラスで学生と教員が密にコミュニケーションを取りながら学びを深めているのが特徴です。大使館や国連、NGOなどさまざまなバックグラウンドを持つ教授陣が全力でサポートします。さらに学びを深めたい学生のために大学院進学も推奨しています。


学生さんに聞きました!

教養学部 国際学科1年 アカンド ユキさん

バングラデシュ人の両親の下に生まれ、小・中学生はバングラデシュで暮らしました。幼少期を日本で過ごしていたので、スラム街で生活する人々の存在に衝撃を受け、特に同世代の女の子が出産する姿に驚きました。生まれた環境によって人生が左右される不条理に戸惑い、なんとかしたいと思うようになりました。他方、日本に戻ってから高校の授業に付いていけず、外国人を支援するNPOの塾に通っていました。その時、日本語を教えてくれたのが、東海大学の学生です。その出会いをきっかけに東海大学のオープンキャンパスやボランティア活動に参加し、学生の挑戦を応援してくれる環境に惹かれて入学を決めました。現在、性的少数者「LGBTQIA」について勉強しています。バングラデシュで性的少数者は差別を受け、逮捕されるケースもあります。将来は国連や国際協力機構(JICA)の職員として、あるいは起業して社会の問題を解決したいです。日本で暮らす外国の子どもたちへの支援も続けたいし、習っているキックボクシングをマスターしてバングラデシュの女性たちに護身術を教えたい。他にも夢がたくさんあります。新型コロナウイルス感染症の影響で授業はオンラインが中心ですが、周囲の友人は皆やりたいことにチャレンジしています。放課後は一緒に宿題をしたり料理を作ったり、刺激を受けながら日々を過ごしています。
 
(本内容は、取材当時の情報です)

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

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