日本工業大学|専門職大学院技術経営研究科技術経営専攻|国際協力が学べる大学・大学院

中小企業の技術経営を学ぶ1年制修士課程

 日本で唯一、主に中堅・中小企業に焦点を絞り技術経営(MOT=Mnagement of Tecnology)人材育成を目指す日本工業大学大学院技術経営研究科。授業は平日夜と土曜に行われ、働きながら1年間で修士号(技術経営)を取得できる。入学には、原則として大学卒業後5年以上の実務経験(短大・高専卒は7年以上、高校卒は9年以上)が必要だ。民間企業で働く社会人や経営者、公的機関の職員など、幅広い業種・年代の学生が在籍することから、在学中に得られる人脈も大きな財産となっている。

 専攻は、経営システムとして理解し、中小企業の制約と特徴を踏まえ変革するマネジメント人材を育成する「中小企業経営コース」、起業による新ビジネス創造や、自社の第二の柱となる新事業を創造するといったアントレプレナー人材を育成する「事業創業コース」、製造業をはじめ幅広い業種・産業と協働できる中小企業コンサルタントを育成する「中小企業診断コース」の3コース。カリキュラムは各コースの育成人材像や院生のニーズに合わせて幅広い学習項目の科目を選択でき、理論から実践への橋渡しのため、基礎、応用、発展/ケーススタディという3段階で科目が構成されている。

 グローバル化の影響もあり、企業の海外展開に関連した授業も増加。持続可能な開発目標(SDGs)やESG投資の学びを通じ、日本企業の技術を活かして国内外の社会課題解決を目指す人材の育成にも力を入れている。

わが大学が目指す2030年

 埼玉県南埼玉郡宮代町にある本学埼玉キャンパスでは、キャンパスの「エコ・ミュージアム化」を推進しています。これを環境への理解や意識の向上などの環境教育につなげ、カーボンニュートラルにも積極的に取り組んでいます。

 ヒートアイランド抑制効果のある窓用断熱フィルムを導入して室内熱環境を改善する「省エネ」や、キャンパス内の太陽光発電システムにて実用電力として総発電能力580kwの「創エネ」を実現。さらに、池の循環システムによる自然との共生も目指しています。神田キャンパスの建物も壁面と屋上の緑化などの配慮が行われています。

 また、最近では、特定課題研究において、企業における脱炭素の取り組みをテーマにする院生も増えています。

多様な人材のキャリアアップ応援

中村明先生(日本工業大学大学院技術 経営研究科 専任教授 社会課題、SDGs/ESG、などの開発マネジメント、プログラム&プロジェクトマネジメントなど)

中村明先生(日本工業大学大学院技術 経営研究科 専任教授 社会課題、SDGs/ESG、などの開発マネジメント、プログラム&プロジェクトマネジメントなど)

 私が担当する授業は「プログラム&プロジェクトマネジメント」の概論・応用、「中小企業プログラム立案ケーススタディ」「技術・社会の展望と企業倫理」という4科目と、経営戦略形成の科目の一部です。私のゼミには、SDGs、ESG、社会課題、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連など、新しい時代の価値創造、組織・人材の変革に関心のある学生が集まっています。

 本学が目指すのは社会や技術の動向を的確に読み、企業や個人のあるべき姿を考えながら、課題解決や価値創造に取り組む人材の育成です。社会人大学院というリカレント教育の場を通じて、多様な個人の潜在能力を開発し、人的資本としての可能性を広げていきます。

使って!この授業・この制度

 各学生に教員が履修計画や特定課題研究などの相談相手となるメンター制度があります。メンターは大学がランダムに選ぶため、視野を広げることにも役に立ちます。

 入学前履修制度では、入学前に8単位まで取得することができ、1年という短期間での学位取得を支援。卒業後3年間、優待学費で講義の聴ける優待聴講制度もあり「特定研究課題を修了した後に、じっくり講義を履修できる」と好評で、多くの修了生が利用しています。経済面では大学独自の奨学金制度を設ける他、厚生労働省の職業訓練給付制度の利用にも対応しています。

学生(卒業生)の声

大学の学びが会社のニーズに直結

川田富士美さん(2020年度修了生ブリタニカ・ジャパン株式会社)

川田富士美さん(2020年度修了生ブリタニカ・ジャパン株式会社)

 以前は台湾のPC周辺機器メーカーでマーケティングの仕事をしていましたが、より幅広くマネジメントの仕事をしたいと考え、転職活動中に知ったのがこの大学院でした。

授業でのグループワークの風景

授業でのグループワークの風景

 本学最大の魅力は働きながら卒業ができる点。メンター制度があり、経営学初心者への手厚いフォローがあります。1年頑張れば修士が取れる点、厚生労働省の教育訓練給付制度が利用できる点も魅力でした。在学中に理想通りの職場に転職できたのも、面接でMOTを学んでいることを伝えた点が大きかったと思います。

特定課題研究のゼミでの様子

特定課題研究のゼミでの様子

 現在は、学生向けのデジタル教材の制作・販売を行う外資の出版社で、マーケティングマネジメント業務を担当しています。将来の目標は起業し、途上国に雇用を生み出すこと。入学前は自分が起業できるなんて考えもしなかったのですが、経営の基本やグローバルな視点を学んだことで「自分にもできるのではないか、やりたい」と思えるようになりました。大学で得た素晴らしいネットワークを生かし、実現したいです。

学校データ

・名称:日本工業大学|専門職大学院技術経営研究科技術経営専攻
・取得可能な学位:技術経営修士(専門職)
・定員:30人
・学費:170万円(2022年度、入学金30万円を含む)、中小企業診断士登録養成課程については別途特別科目授業あり。
・奨学金制度 : 日本学生支援機構奨学金、科目等履修生対象の奨学金、教育訓練給付制度の利用が可能
・所在地 : 〒101-0051東京都千代田区神田神保町2-5
・Tel:03-3511-7591
・Mail:ホームページ入力フォームからの問い合わせが可能

『国際協力キャリアガイド22-23』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

キャリア相談をする

タイトルとURLをコピーしました