インテムコンサルティング株式会社|国際協力に携わる企業

水産、教育、保健医療をベースに幅広く

 インテムコンサルティングが1993年に設立された独立系の開発コンサルティング企業だ。設立当初より「水産」「教育」「保健医療」の3分野を軸にしていて、主に国際協力機構(JICA)が実施する途上国の開発事業に携わってきた。近年は、産業人材育成、環境保全、ジェンダー、モニタリング・評価などに多岐にわたる分野をカバーできる体制になっている。

 モットーは「世界の国々から喜ばれる仕事をすること」。組織的には視線環境部と社会開発部が技術協力プロジェクトを、計画調査部が無償資金協力を担当する。

 日本国内でも水産庁や環境省の水・環境関連分野の調査やコンサルティングを行っている。そのひとつである「水産エコラベルの普及」は、国内の漁業者、養殖業者、加工業者など水産関係業者がそれぞれの活動が持続可能であるという認証、すなわちエコラベルの取得支援を水産庁の委託事業として昨年から実施してきた。現在(2022年7月時点)までに約20の民間事業者をサポートしている。このような国内での経験・知見は、いずれ海外の技術協力での生きてくると見込む。

 代表取締役の土井正典氏は「昨今は、かつてのような一方的な支援から、日本の経験を生かして協働する互恵的な取り組みが求められるようになっている。柔軟な発想と情熱を持って新時代の国際協力に取り組みたい」と語る。

 若手の採用は、文系・理系問わず随時行っている。青年海外協力隊経験者の採用も多い。

当社の”2030年構想”

環境に優しい養殖や
生物多様性保全策を提案

 当社は水産、自然環境分野の事業を通じて脱炭素に貢献しています。

 沿岸漁業、養殖、水産加工の技術協力プロジェクトでは、餌の地域循環、養殖魚や漁獲物の地産地消や保蔵技術の改善などを盛り込み、フードマイレージ低減による低炭素社会への実現につなげています。養殖魚の排泄物や残餌から出た栄養塩(窒素やリン)は植物プランクトンによる光合成によって回収され、その上位捕食生物(動物プランクトン等)が魚の餌として循環するエコフレンドリーな養殖の導入も促進しています。

 一方、マングローブは水中・土壌のCO2を陸上の熱帯林よりも多く固定することで知られます。各国のマングローブを含めた生態系保全という目的に向け、科学的調査とそれを踏まえた中・長期的な視点に立った政策提言づくり、漁業や観光などマルチセクターな取り組み強化の体制構築に注力しています

社員さんに聞きました

人と自然が適度な距離感で
開発を進められるよう
「仲介」として役立ちたい

尾崎友紀さん(自然環境部)

尾崎友紀さん(自然環境部)

 当社では、インターン時代に多様な分野のアシスタント業務に携わりました。その後、関心のあった自然環境分野の仕事をしたいと、環境省の補助金事業に応募しました。「ラムサール条約登録湿地における野生動物観光促進・情報発信事業」では国内の湿地15カ所に足を運んで、Webコンテンツ制作のための調整や参加型ワークショップの運営を行いました。

ラムサール条約登録の東よか干潟(佐賀県)で潟スキーを体験

ラムサール条約登録の東よか干潟(佐賀県)で潟スキーを体験

 現在は、中米・カリブ地域の生物多様性保全と地域経済開発の両立を図る技術協力プロジェクトに参加しており、今後は、これから始まるパイロット活動の実施に携わります。

北海道・野付半島で漁船運行の協力者と

北海道・野付半島で漁船運行の協力者と

 自然と人が適度なバランスを保ちつつ、どのように開発を進めていけばいいのか、環境教育で自然と人との「仲介」となって自然解説を行うインタープリターを務めてきた経験を活かし、現地の人々と交流しながらニーズを探っていきたいと思っています。自然環境部だけではなく、他部署と連携した業務も担当しています。さまざまな分野の業務を通じて得られる知見を、専門性を発揮する仕事に結びつけていきたいと考えています

ウズベキスタン担当省庁との協議

ウズベキスタン担当省庁との協議

 

略歴

・19歳:大学の研修で初めて海外に。現地の人と意思疎通でき、英語への苦手意識が薄ら
・21歳:大学在学中に環境NGOでボランティア。国内外で子ども向け環境教育交流活動を担当
・22歳:青年海外協力隊でペルーに。ラムサール条約登録の自然保護区で環境教育に携わる
・28歳:環境科学を学ぶための大学院留学を挟み、NPO法人と当社でのインターンを経て、入社

会社データ

名称:インテムコンサルティング株式会社
設立:1993年
資本金:2000万円
従業員:45名(2022年6月現在)
本社:東京都新宿区
住所:〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-5-3 斉藤ビル5階
Tel:03-5389-7055
Mail : info@intemjapan.co.jp

 

『国際協力キャリアガイド22-23』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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