時代を先取り「脱炭素社会」がビジョン
日本で都市問題や公害が課題となる中、1971年に、大学の研究室からスピンアウトした若い創業者が設立したのが同社だ。それから50年余り、「環境、エネルギー・資源」「都市空間・地域社会」「途上国支援」の三つの領域で、時代状況の変化を先取りしながら、社会的価値を創造してきた。同社のビジョン「脱炭素社会の実現、持続可能な社会の構築」に時代と社会が追いついた。
持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定を受け、脱炭素対策やESG投資など、環境課題解決に向けた取り組みが世界中で活発になっている。そうした動きは、エネルギー利用を根本的に変えた社会経済システムの構築や、まちづくりを追求してきた同社の行動理念とマッチする。一方で、新型コロナウィルス感染症の流行拡大やウクライナ紛争などによる、ボーダーレスな環境・状況の変化を注視し、求められるニーズにも対応していく。
社内には、サスティナビリティ・デザイン事業本部、環境政策研究本部、海外環境事業本部、環境エンジニアリング事業本部を設置。国際環境分野では、国際協力機構(JICA)や外務省との協力事業の他、環境省と共に環境関連の条約制定に関する協力や調査も行う。
国内向けには、日本企業の海外展開のための支援、まちづくりや環境教育にも取り組む。
課題が複雑化・複層化していく中、課題領域に深い関心を持ち、考え続け、自分の成果に対して妥協しない人を求めるという。現在、女性社員の割合は34%で、年々上昇している。
当社の“2030年構想”
持続可能な社会構築
国内外でプロデュース
「脱炭素社会の実現、持続可能な社会の構築へ」という当社のビジョンが共通認識になりつつあります。
その実現のため、①温室効果ガス排出量実質ゼロを実現する持続可能な地球環境づくり、②人口減少や地方衰退が顕在化し、一方で、社会資本の更新・強靭化などが必要な国内における持続可能な都市・地域づくり、③人口爆発や貧困などを含む、特にアジアを視野に入れたグローバルで持続可能な環境・都市づくり-に取り組みます。
50年の業務展開で培った「プランニング」「コンサルティング」「コーディネート」「エンジニアリング」「ネットワーク」を駆使し、実現可能な処方箋をデザインし、事業化の手だてをプロデュースします。
社員さんに聞きました
実験や分析が好き
化学物質の適正管理で
弱者の被害をなくしたい
学生時代は、環境分析や化学物質の管理について学びました。実験も好きでしたが、就職活動では、化学物質管理の分野でも、誰がやっても同じ結果となることが大事な環境分析より、自身の知見や経験が付加価値となるコンサルタントを志望しました。女性社員が、出産などのライフイベント後に復職し、技術士の資格を取り活躍されていることなどもエックス都市研究所への就職の決め手となりました。
入社して数カ月ですが、化学物質管理の関連法規について、背景、目的、適用範囲などの情報を整理しています。日本の経済成長期の公害やボパール化学工場事故などの人為的な汚染だけでなく、自然災害時の漏洩などの新しい課題に対する国内外の法令や執行体制を整備するためです。
化学物質の使用量は、工業化の進展とともに増え、市場は2030年には2017年の倍になると予測されています。その約7割がアジアです。栄養さえ満足に取れないような人々が、不適切な管理による被害を受けることがないように、アジア地域での効果的な化学物質管理制度の導入に貢献していきたいです。
略歴
・19歳:栄養を化学の視点から学ぶため、東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科へ
・22歳:化学を根本から勉強したい気持ちが強まり、東京理科大学 理学部 化学科へ編入
・25歳:横浜国立大学 環境情報学府へ。重金属土壌汚染地の評価管理手法について研究
・27歳:エックス都市研究所に就職。災害時の化学物質管理や関連法、海外支援を調査
会社データ
・名称:株式会社エックス都市研究所
・設立 : 1971年3月12日
・資本金 : 3,000万円
・従業員 : 143人(2022年6月1日現在)
・本社 : 東京都豊島区
・海外拠点 : タイ・バンコク
・住所 : 〒171-0033 東京都豊島区高田2-17-22 目白中野ビル6階
・Tel : 03-5956-7500
・Mail : ホームページの「お問い合わせ」フォームから
『国際協力キャリアガイド22-23』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)
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