<適材適所>
人材育成分野を中心に事業領域を拡大

大学での課題解決型ワークショップのグループ発表。若者のキャリア開発・形成支援にも注力する

  

 POINT 
 ・メンバー全員の経営参画
 ・メンバー個々の自治を尊重
 ・アジアの産業人材育成で貢献

 

 合同会社適材適所は、2017年8月に設立11年目を迎えた。同社ではメンバー全員が経営に参画するほか、働く時間・場所、給与設定に至るまで各人の自治を尊重しており、個々の意欲と成果を引き出す運営スタイルを徹底している。2016年に国際協力機構(JICA)から受注した「タイ国産業人材ニーズに関する情報収集・確認調査」では、革新的かつ実践的エンジニアの育成を目的に、主として工学系高等教育機関の現状、人材育成に関する日系企業のニーズ、さらに参考事例として国内の高等専門学校、大学、大学院の取り組みについて調査を実施。このプロジェクトは、適材適所が得意としてきた①タイ、②人材育成、③大学連携、④キャリア教育・開発・支援――という4つの知見とノウハウが生かされており、今後のアジアでの産業人材育成の案件にも積極的に関わっていく方針だ。立山桂司代表は「メンバー各人の未来の適材適所をみんなで考え抜く中で、あらゆる偶然が必然として結実し、真の適材適所を実現してきた」と語る。同社はキャリア教育分野にも注力しており、広島大学大学院では開発プロジェクトの管理手法であるPCM、東海大学短期大学部では「理想の幼稚園を創ろう!」の各ワークショップを毎年開催。全国の大学で、さまざまな人材育成サービスを提供してきた。社内の人材教育・育成にも積極的に取り組んでおり、最近も海外から講師を招へいして、業務への適用可能性をメンバー全員で検討するなど、さまざまな領域への対応を進めている。

 

 企業情報 
設立:2007年
従業員:12人(2017年7月現在)
本社:東京都千代田区
事業分野:政策、経済、農業、環境、保健・衛生、教育、社会開発、社会福祉・保障などの分野で研究・開発、調査、計画策定、プロジェクト評価などのサービスを提供

 採用情報 

募集職種:コンサルティング業務(多岐にわたる分野・課題)
募集人数:随時募集
募集人材:文系、理系、中途、学士、修士

 

 

 社員に聞きました! 

 

 
 
 

大橋 由紀(おおはしゆき) さん
コンサルタント
(豪マッコーリー大学大学院応用人類学・開発学修士課程修了)
 

<これまでの主な担当プロジェクト>

・グアテマラ・地方自治体能力強化プロジェクト・評価
・ペルー・小規模農家生計向上計画策定・評価
・ホンジュラス・地方開発専門家派遣

 
 
 
 
 

24歳

豪州の旅行業界に就職

 

  コンサルタントになる前 

大学時代は東南アジアの少数民族の文化に関心を持ち、文化人類学を専攻。学部時代にインドネシア研究が盛んなオーストラリアに留学し、卒業後は現地で旅行業の仕事を続けながら、大学院で応用人類学と開発学の修士コースで学びました。旅行業の経験を通して基本的なビジネススキルを習得できたと思います。

28歳

豪マッコーリー大学大学院修了。開発コンサルティング企業に就職

 

  コンサルタントになってから 

大学院修了後、文化的マイノリティーが開発による不利益を受けることがない社会に貢献したいと考え、コンサルティング企業に就職。1年働いた後、現場経験を積もうと青年海外協力隊に応募し、プログラムオフィサー隊員としてエルサルバドルに赴任しました。帰国後に復職し、中南米の調査業務やプロジェクト評価を中心に業務経験を積み、2007年からは当社で中南米、アジアなどの業務に携わりました。

29歳

青年海外協力隊に参加。エルサルバドルで活動

32歳

コンサルタント会社に復職

35歳

適材適所入社。中南米、東南アジアなどの評価業務などに従事

 

  現在 

技術協力プロジェクトの評価分析を中心に、プロジェクト形成、調査・計画、モニタリングなどのコンサルティング業務に従事しています。昨年出産し、子どもが小さいので出張ができない間は、経理や社内研修の調整など社内業務に取り組んでいます。コンサルタントとしてこれまでと違う働き方を模索中ですが、楽しみながら仕事と子育ての両立を実現していきたいと思っています。

 

印象深いプロジェクトや業務は?

これまでコンサルタントとしての経歴の大部分は、技術協力プロジェクトの評価分析として経験を積んできました。「グアテマラ・地方自治体能力強化プロジェクト」は貧困地域で生活改善アプローチによる社会開発事業を実施し、そのプロセスを通じて地方行政に携わる人材育成や体制の強化を図っていくもので、私は中間レビューの評価業務に従事しました。中でも各アクターの特性や既存のメカニズムについて再確認し、実施体制に関する課題と今後の方向性を整理することに注力しました。評価の仕事はプロジェクトと関わる時間は短いですが、専門家やカウンターパートが長期にわたりプロジェクトの中で密に活動するが故に見えにくい課題を抽出し、その指摘が提言として事業に反映されることに充実感とやりがいを感じます。

この仕事を目指す読者へ一言

働き方が多様化する中、働く時間と場所、仕事の内容と量についても各人の自主裁量に委ねられる適材適所の組織マネジメントは魅力的です。それを支えているのが社員個々の自覚と責任感。対象となる分野や課題、サービスの種類に制限がなく、メンバーからの提案が重視されることも働きやすさの要因のひとつです。

 

<Company Data>

合同会社適材適所
代表者 立山 桂司
〒102-0093 東京都千代田区平河町1-3-6BIZMARKS麹町3階
TEL 03-6869-4124 Email mailadm@tekizaitekisho.org

 

『国際協力キャリアガイド2017-18』掲載

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