トーゴ|マリタイム及びサバネス地域村落給水計画|国際協力プロジェクト

<無償資金協力>
給水施設建設と既設井戸の改修により
7万人以上に安全な水を提供

 トーゴは大西洋のギニア湾に面した西アフリカの国で人口 827万人(2020 年)のうち、6割が村落部に暮らしており、安全な水の確保は差し迫った課題である。
 

 また同国では 1990 年代以降、政情が混迷し主要なドナーの援助が停止した影響もあり、村落部や準都市部における給水率は 2010年時点で 43% と低く、多くの住民が手掘り井戸などの非衛生的な水源を使用せざるを得なかった。
 

 そのためトーゴ政府は同国の中でも給水率の低い2州を対象とした無償資金協力を日本に要請し、2012 年から 2014 年の間に北部のサバネス州に人力ポンプ付深井戸建設 100 カ所、動力ポンプ付深井戸による給水網施設の建設10 カ所(公共水栓 69 基)、南部のマリタイム州に既設の人力ポンプ付深井戸の改修 50 カ所の支援が行われた。さらに建設・改修された施設の維持管理および運営に関する技術移転と、住民に対する衛生啓発活動も実施された。
 

 本事業では、給水網施設のうち、2カ所に太陽光発電システムを導入して財務の負担軽減を図り、かつ商用電力との併用により天候に左右されず安定して水を供給できるように計画した。サバネス州では基盤岩に対して水圧破砕法(ハイドロフラクチャー)を適用し、揚水量の増加を図った。また、既設井戸には井戸洗浄と人力ポンプの交換を施し、再び施設を利用可能にした。
 

 こうした給水整備により新たに71,500人が安全な水を利用できるようになった。事業終了後の調査では各施設の利用状況は概ね良好であり、深層地下水源の利用により飲料水および生活水の水質が改善された結果、水因性疾患が減ったことが確認された。また、女性や子供の水くみ労働が1日2時間以上短縮された。

■コンサルティング
(株)三祐コンサルタンツ

■施設建設
(株)日さく
(株)利根エンジニア

(国際開発ジャーナル2022年4月号掲載)

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