「興味と意欲でチャレンジ」もあり
高校時代に地球温暖化に関心を抱き、大学では環境資源工学を学びました。そのうち世界の不均衡に気付き、なんとかしたいと思うようになり、自分が一番やりがいを感じて生きていける仕事は何かを考え始めました。その情報収集の過程で開発コンサルタントの仕事を知りました。会社選びでは、環境に関する分野に携わりたかったのと、大学から始めたジャズのルーツでもあるアフリカに興味もあり、アフリカの仕事を手掛けている当社に入社しました。
留学経験もなく、途上国は、入社後サポート業務で行ったセネガルとガンビアが初めて。しかも現在の業務は土木関係の積算が中心で、自身の専門とは異なり苦労はありますが、やりがいを感じています。私は興味と意欲だけで入社しました。ですので、専門性や経験がもしなくても、思想や意欲を大切にして業界に入ってみるのもOKだと思います。
現地から教わることが多かった
これまではOJT的に他の社員のサポートに付くことが多かったのですが、2019年から本格的にモザンビークの地方給水の調査プロジェクトに積算団員として参加しています。ハンドポンプの井戸と給水施設を建設するための調査なのですが、自分に土木の知識がないため、一から勉強しつつ先輩社員にも教えてもらい、調査を終えることができました。大変ではありましたが、どうやって工事が行われ、一つの施設が出来上がるのか、積算の作業を通じて全体像が見えてくるので、その過程が楽しかったです。モザンビークはポルトガル語圏なので英語とポルトガル語の通訳が入るのですが、その通訳や現地の業者も非常にプロ意識が高く、調査中に教わることがずいぶんありました。
今後、語学と技術を磨き、カウンターパートや現地の関係者と信頼関係を築いて、「自分が現地の人と共につくった」と言える案件を手掛けたいです。
金野俊太郎さん(日本テクノ株式会社 技術本部第一部 )
Career Path
・日本テクノ入社
・早稲田大学大学院 創造理工学研究科 地球・環境資源理工学専攻 修了
・早稲田大学 創造理工学部 環境資源工学科 卒業
会社情報|日本テクノ株式会社
開発途上国の水問題に挑む
日本テクノは1976年の設立以来、政府開発援助(ODA)を通じて開発途上国の地方給水、衛生改善にソフトとハードの両面から取り組んできた。
同社が関わった給水事業の対象国は50カ国以上にわたる。特にセネガルやガンビア、ザンビア、イエメン、パキスタンなどでは、日本による給水分野の支援開始時から一貫して事業に参画しており、高いプレゼンスと信頼を得ている。
同社は2015年に、国内上下水道分野でトップクラスの実績を持つ日本水工設計株式会社のグループ企業となった。それを契機に、都市の上下水道分野の事業にも、より積極的に取り組んでいる。
新型コロナウイルス感染症の予防策として手洗いに焦点が当たっているなかで、水、衛生、環境分野のノウハウを持つ同社の活躍の場はいっそう広がっている。
水を対象に多様なアプローチで
「コロナ禍で安全な水の確保、手洗いの重要性が増しているなかで、持続可能な開発目標(SDGs)が掲げるように『誰一人取り残してはいけない』という思いで、“地に足の着いた”ベーシック・ヒューマン・ニーズ(BHN)の充足に再び目を向けていく必要がある。一方、公的資金だけでなく、民間投資を含む多様なスキームによる開発事業に対して、高い専門性と新しい発想によるコンサルティングサービスの提供を目指す」と同社幹部はビジョンを語る。
また採用については、「専門性を伸ばしていける素地を持った人を求めている。コロナ禍で現在は残念ながら中途採用が中心になっているが、将来的には若い人も採用したい」と述べる。通年採用を行っている同社では、随時応募を受け付けている。
Company data
・日本テクノ株式会社
・設立:1976年
・資本金:8,600万円
・従業員:36人
・本社:東京都中央区
・事業分野:水資源開発、造水、都市水道、地方給水、環境、再生可能エネルギー、廃棄物、下水道、衛生、社会開発、プロジェクト評価
・住所:〒104-0054 東京都中央区勝どき3-12-1 フォアフロントタワー7階
・Tel:03-6703-0510
・Mail:jat-tyo@jat.co.jp
Recruitment
・募集職種:テクニカルスタッフ(エンジニアリング系専門職)
・募集人数:若干名
『国際協力キャリアガイド2020-21』に掲載
(本内容は、取材当時の情報です)