髙山晃平さん|海外で働く建設・技術者インタビュー事例集

海外で働く建設・技術者インタビュー事例集

社員インタビュー

学生時代

大学で土木工学を学んでいた当時、将来は地元の都市計画づくりに携わりたいと考えていました。しかし、海外旅行でベトナムを訪れた際、日本の援助で造られた道路トンネルを見て、そのスケールや社会的なインパクトの大きさに感銘を受けました。それ以降、海外のインフラ業務に興味を持つようになりました。

入社後

最初の4年間は建設技術研究所の水工部に出向し、国内で河川堤防や排水施設の設計に携わっていました。その後、初の海外案件としてフィリピン・マニラ首都圏を流れる河川の洪水対策事業で排水施設の設計をしました。当初は業務量の多さや、日本のように発注者との細かな打ち合わせやチェックといったプロセスがないことなどに驚きと戸惑いの連続でした。その他の案件では、構造物の建設予定地が急に変更になるなどの問題にも直面しましたが、国内で積んだ経験やチームメンバーによる協力のおかげで、そうした不測の事態にも何とか対処することができました。

現在

2016年7月から、フィリピンで最大の流域面積を持つカガヤン川とタゴロアン川の河道掘削や護岸整備などに関する詳細設計業務に副総括として従事しています。設計業務だけを担っていたこれまでと違い、プロジェクト内の事務や全体のマネジメントなども行っています。

印象深いプロジェクトや業務は?

現在、副総括として従事している業務では、今までにない仕事の難しさに直面しています。そのひとつが現地スタッフとのコミュニケーションです。彼らは日本人とは全く異なる価値観を持ち、時間に対する感覚も違います。そうした違いを念頭に全体のスケジュールを組んだり、どうすれば彼らのモチベーションを維持させることができるかを考えたりと、日々、試行錯誤を繰り返しています。他方、海外業務では知事や政府高官など、国内では会う機会のない立場の方々とも意見を交換することがあります。こうしたスケールの大きさを実感できるのは、この仕事の魅力です。

この仕事を目指す読者へ一言

英語などの語学力に不安を持っている人も多いと思いますが、英語は仕事をする中で使えるようになるので大きな問題ではありません。それよりも海外では、コンサルタントはその分野のスペシャリストとして見られ、課せられる責任も重いため、知識や技術力、コミュニケーション力をしっかりと日本で身に付けておくことが重要です。

髙山晃平さん(建設技研インターナショナル 防災部)

これまでの主な担当プロジェクト
●フィリピン・パッシグマリキナ川の改修事業
●フィリピンの洪水リスク管理事業の詳細設計
●フィリピン・サンファン川流域遊水地の詳細設計

Career Path

23歳
大学時代、海外旅行先でODAにより整備されたインフラ施設を見る

25歳
建設技研インターナショナルに入社

29歳
初の海外業務としてフィリピンの洪水対策事業に従事

33歳
技術士(建設部門)を取得。初めて副総括(管理技術者)として業務を担当

会社情報|(株)建設技研インターナショナル

インドネシア・スマラン地域総合水資源洪水管理計画で手掛けたジャティバランダム

水・道路分野で豊富な実績を誇る

建設技研インターナショナルは、開発途上国に対する技術協力に特化したコンサルタント集団だ。設立当初は「水に強いコンサルタント」として治水や水資源管理などの分野で実績を伸ばしていたが、最近は道路も主力分野の一つとなっている。さらに、環境や都市インフラ分野にも注力し、上水道・給水、下水道・排水、資源循環などの事業に取り組んでいる。

同社はプロジェクトの調査・計画、設計、施工監理から人材の能力開発まで一貫した質の高いサービスを提供し、評価されている。2015年にはベトナムの首都ハノイにあるノイバイ国際空港とニャッタン橋をつなぐ道路の建設プロジェクトで第11回国際協力機構(JICA)理事長賞を受賞。2017年にはアフガニスタンに対する水資源や気象に関するデータの管理能力強化プロジェクトで、同国のアブドラ・アブドラ行政長官(首相職に相当)からプロジェクト功労賞を受賞した。

こうした質の高い支援を支えているのは、各分野で豊富な現場経験と技術力を持つプロフェッショナルたちだ。同社では、入社後4年間はグループ会社の株式会社建設技術研究所(CTIE)に出向し、国内業務に従事する。そこでコンサルタントとしての仕事の基礎を学び、技術を磨く。だからこそ、同社にはさまざまな問題が発生する海外業務においても適切に対処できる人材が育っているのだ。

採用については、理系学生のほか、最近は経済学や国際法務の知見を持つ人文系の学生も募集している。

POINT
・水・道路分野で数多くの賞を受賞
・環境や都市インフラ分野にも注力
・国内で技術力を高めてから海外へ

Company data

(株)建設技研インターナショナル
代表者:代表取締役社長 友永則雄
設立:1999年
資本金:1億円
従業員:154人
本社:東京都江東区
海外拠点:マニラ、ウランバートル、イスラマバード、プノンペン
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸2-25-14 立花アネックスビル
TEL:03-3638-2561
Email:info@ctii.co.jp

事業分野:海外のインフラ整備・社会環境整備にかかわる調査・計画・設計・施工監理・プロジェクトマネジメント業務

Recruitment

募集職種
・開発コンサルタント(水資源開発、道路・橋梁、都市計画に関する企画、調査、計画、設計など)
・事務系(主に文系)

募集人数
・開発コンサルタント7~8人
・事務系若干名

募集人材
文系・理系新卒・中途学士・修士

『国際協力キャリアガイド2017-18』に掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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