マレーシア|全国下水処理事業|海外の土木・建設プロジェクト

東南アジア
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環境改善と経済発展を実現

マレーシアでは、伝統的に小規模の公共下水処理場があちこち乱立していた。しかし、それらは適切に維持管理がされていなかったため、同国の下水処理能力は著しく低い状態にとどまっていた。特に人口が急増している都市部では、生活環境の悪化と人々の健康への被害が深刻化し、重要な政策課題になっていた。

シールド工法による掘削工事

そこで、日本は2001~09年、マレーシアの主要都市13地区内に集中下水処場を10カ所と集中汚泥処理場を3カ所建設すると共に、各地区の主要な下水管渠の整備も行った。総工費は約600億円。うち約450億円が円借款によってまかなわれた。調査から設計、施工監理まで、この事業のコンサルティング業務は(株)エヌジェーエス・コンサルタンツ(以下、NJS)が担当した。

Kangar下水処理場

Kota Setar汚泥処理場

この協力にはいくつか特徴がある。まず、マレーシアで初めて近代的かつ経済的な下水処理施設が導入され、下水の集中処理が可能になったことによって、都市部の下水道普及率は5%から50%に劇的に改善した。

Juru下水処理場

また、同国でこれほど大型のプロジェクトが実施されたこと自体が初めてであったため、NJSは同国政府のプロジェクト・マネジメント業務を全面的に支援・指導すると同時に、現地のコンサルティング企業3社に対してもコンサルティング技術の指導にあたった。さらに、施設建設を受注した日本の建設企業もこうした技術移転を継続して実施。こうした取り組みが奏功し、現在ではマレーシア政府自身が独自に下水の処理事業を運営できるようになった上、関連の裾野産業も目覚ましい発展を遂げている。

Sg.Nyior下水処理場

コンサルティング:(株)エヌジェーエス・コンサルタンツ

『国際開発ジャーナル2014年7月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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