ケラニ河新橋建設事業(パッケージ2)〈有償資金協力(STEP)〉
コンサルティング:(株)オリエンタルコンサルタンツグローバル/(株)片平エンジニアリング
施工:三井住友建設(株)/サンケンコンストラクション
日本の有償資金協力で建設が進められていたスリランカの「ケラニ河新橋建設事業」が竣工。現地で盛大に開通式が執り行われたのは2021年11月24日のことだ。式典にはゴダバヤ・ラージャパクサ大統領(当時)、マヒンダ・ラージャパクサ首相(当時)、日本側から水越英明・在スリランカ日本大使ら両国の要人多数が列席し、新橋の完成を喜んだ。
完成したケラニ河新橋は、コロンボ市の北部に位置し、鋼製橋梁工区(パッケージ1)とエクストラドーズド橋工区(同2)の2パッケージで建設工事が進められた。全長は約3km、6車線の高架橋区間も含まれている。借款契約(L/A)が締結されたのは2014年3月。借款額は350億2,000万円。新橋に隣接する既存のケラニ橋に影響を与えない狭小施工、また同国では初となるエクストラドーズド橋の建設などに対応するため、本邦技術活用条件(STEP)が適用され、施工に当たった三井住友建設の高い技術力が生かされた。
スリランカは近年、堅調な経済成長(2016年4.3%、17年3.6%、18年3.3%)を遂げており、それに伴い自動車登録台数が急激に伸びている。このため、経済・社会活動の中心都市コロンボ市内では、特に朝と夕方の通勤・通学時間帯を中心に交通渋滞が著しく悪化し、中でも既存のケラニ橋は同国第二の都市キャンディーを結ぶ国道A01号線、国際空港に通じる国道A03号線、港湾アクセス道路、さらにコロンボ市内を縦断するベースライン道路の4幹線道路が集中する交通の要衝であり、慢性的な渋滞が深刻化していた。
今回の新橋建設事業で、ケラニ河周辺地域の交通分散化と深刻化する交通渋滞の改善を目指した。国内旅客と貨物輸送の90%以上を担う同国の道路輸送の円滑化と、それがもたらす経済成長の一層の促進や社会活動の活性化に大きな期待が寄せられている。
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『国際開発ジャーナル2022年12月号』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)
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