ウガンダ 3地域の中核病院を整備し地域住民の暮らしと健康を守る|海外の土木・建設プロジェクト

アフリカ

北部ウガンダ地域中核病院改善計画<無償資金協力>

コンサルティング:(株)横河建築設計事務所インテムコンサルティング(株)共同企業体
施工:岩田地崎建設(株)
機材:(株)シリウス

アフリカ東部に位置するウガンダの北部地域では1980年から約20年続いた内戦の影響による元国内避難民を多く抱え、近年は南スーダンやコンゴ民主共和国など治安の不安定な周辺国からも多数の難民が流入している。こうした状況下、復興支援や難民支援の観点から人道上のニーズが高まっているのが、医療・保健分野の支援だ。北部にある各地域の中核病院では、患者数が増加し、治療の遅れや長い待ち時間、さらに施設の老朽化や医療資機材の不足などが課題となっている。

そこで、国際協力機構(JICA)は2016年から地域の医療施設を対象とした研修など技術協力プロジェクトを実施し、並行して2017年に施設の整備に関する準備調査「北部ウガンダ地域医療施設改善計画」を開始。翌2018年から無償資金協力事業「北部ウガンダ地域中核病院改善計画」をスタートした。対象は、北部のグル、リラ、アルアの3カ所の中核病院で、それぞれ手術・救急・産科病棟、外来・救急棟、分娩室などを備え、地域医療の拠点としての役割を担う。

施設の建設は2019年7月に着工し、途中、新型コロナウイルス感染症の影響で11カ月の中断を余儀なくされたが、2021年12月、無事完成した。

日本の建築技術・経験を生かした建物は、耐久性に優れ、患者や医療従事者の導線を考慮した設計となっている。必要な医療資機材の供与や地域の病院連携機能の強化も図り、3病院全体で新たに外来患者約42,000人、分娩数1,700件、救急患者2,500人に対応できる見込みだ。より多くの地域住民が質の高い医療・保健サービスにアクセスできるようになり、健康的な生活が確保されることが期待されている。

『国際開発ジャーナル2022年3月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

 

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