モンゴル|ウランバートル市初等・中等教育施設整備計画|海外の土木・建設プロジェクト

南アジア

質の高い基礎教育環境(モデル学校)の実現

市街地新設校 75 番学校

日本政府は1990年以降、無償資金協力によるモンゴルの学校建設支援を行っており、これまで55カ所の新設・改修が実施された。本プロジェクトはその集大成として、モンゴル政府が今後の学校建設を担っていくにあたって参照すべきモデルとなる“質の高い学校施設”のあり方を示すべく、日モ両国関係者の共同作業により実施されたものである。

全階をバリアフリーでつなぐスロープ

対象とするサイトは、ウランバートル市の全域に散らばる候補地から、施設に対するニーズの相違と自然・社会条件の相違を軸に検討が重ねられた。その結果、中心市街地から郊外に至るウランバートル市における異なる立地と、必要となる施設規模、施設整備の手法(増設、新設)を幅広くカバーすることができる4つのサイトが選定された。

ピクトグラムによる直感的に理解できる誘導・識別表示

本計画では、“モデルとなる質の高い学校”の姿として、ユニバーサルデザインを「新しい学校施設が基本的に備えるべき共通価値」と位置付け、その7原則に従ったさまざまな“工夫”の導入を行うこととした。ユニバーサルデザインとは、障害の有無や年齢、性別、人種などにかかわらず、多様な人々が使いやすい空間づくりを目指す考え方で、公共空間のデザイン原則として世界中で広く取り入れられている。また、これからの学校施設が配慮すべきテーマとして社会的要請の強い「障害者・児に対する配慮」「防災に対する配慮」「環境に対する配慮」の3つを取り上げ、実際の施設や設備の中で展開している。

郊外増設校 109 番学校

竣工式

今回実現された工夫点の意図と機能が十分理解され、また新築から日常的な修繕に至るあらゆる形の学校施設整備の中で参照されて、モンゴルにおけるより質の高い基礎教育環境の実現への貢献が期待される。

地域住民の避難所機能を備えた体育館

授業の様子

コンサルティング:(株)マツダコンサルタンツ
施設建設・機材調達:岩田地崎建設(株)大日本土木(株)共同企業体

『国際開発ジャーナル2021年10月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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