リベリア共和国 エボラとコロナの困難を乗り越え「JAPAN FREEWAY」を整備|海外の土木・建設プロジェクト

アフリカ

第二次モンロビア首都圏ソマリアドライブ復旧計画<無償資金協力>

コンサルティング:(株)片平エンジニアリング・インターナショナル
施工:大日本土木(株)

リベリア共和国では、2003年の内戦終結から復興・再建が進められており、モンロビア首都圏では、帰還難民の流入などから人口の増加が著しく、都市インフラの復旧・整備が急務であった。特に、市街地の至る所で、交通量の増加に伴う交通渋滞が発生しており、対策が必要となっていた。

主要幹線道路の一つであるソマリアドライブは、港と内陸部を結ぶ機能を果たすとともに、周辺のコミュニティの生活道路として利用されていたが、片側1車線では増加する交通量を処理できなくなり、交通混雑が常態化していた。

同国政府の要請を受けた日本政府は、2車線道路の新設と既存2車線道路の改修を無償資金協力で支援した。

工事は2つのフェーズに分けられ、フェーズ1で2車線道路新設、フェーズ2で既存2車線の改修を実施した。フェーズ1工事ではエボラ出血熱感染拡大の影響で約10カ月の中断、フェーズ2では新型コロナウイルス感染拡大の影響で40日間の中断を余儀なくされ、5カ月の工事規模縮小を経てそれぞれ工事を完了した。

エボラ出血熱と新型コロナウイルスの影響を受けながら、また年間5000ミリ近くの降雨、道路近隣に密集する住民、多くの通行車両、ゴミの氾濫など厳しい条件下での工事であったが、無事完了することができ、今後は渋滞の解消、経済活動の活性化及び周辺住民の生活の向上が期待されている。

完成した道路は、フェーズ2の竣工式の際に、日本への感謝の意と、リベリアと日本の友好の象徴として名称を「ソマリアドライブ」から「JAPAN FREEWAY」に変更する、と同国のジョージ・ウェア大統領から発表された。

寄稿:大日本土木株式会社 海外支店 土木部 統括所長 梅原 昌博

『国際開発ジャーナル2022年3月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

 

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