膨大なインフラ整備需要に挑む
施工:岩田地崎建設(株)
建設市場としての魅力
アフリカは豊かな鉱物・エネルギー資源を持ち、また、人口が14億人を超えて今なお成長・拡大を続けており、当社は大きな可能性を秘めた地域・市場と認識している。感染症や世界の政情不安に影響を受けやすい脆弱な社会・経済構造ではあるが、アフリカ各国の経済成長ポテンシャルは依然として高く、潜在的に膨大なインフラ需要があることから、建設市場としての魅力を強く感じている。当社は、1992年にガンビア共和国の政府開発援助(ODA)水産案件に参画して以来、アフリカでは計26件の施工実績があり、実績数としては当社の海外実績(90件)の約3割を占める重要な地域となっている(2022年6月時点)。アフリカに進出した当初は、水産案件が中心であったが、近年では病院や教育施設、電力施設も手掛けており、今後も幅広い分野での受注を積極的に目指していく方針である。
ICT導入による業務の効率化
具体的には、当該地域は開発途上国が多く、経済的には脆弱な構造が残っていることから、資金回収リスクの無いODA案件を引き続きメインターゲットとして活動を続ける予定である。ただし、世界的なコロナ禍などの影響により案件が減少しており、今後は受注競争がより一層激化することが予想されるため、当社が持つ現地ネットワークを生かして価格競争力を発揮できる施工経験国に重点を置き、優先的に人員を投入することになるだろう。
また、これらの重点国においては、現地人エージェントを雇用し、新規案件や諸手続きに関する情報をより早く取得するとともに、施工中に発生する諸問題の早期解決を確実に実行する。さらに、現場においては情報通信技術(ICT)を積極的に導入し、限られた人材で運営している現場の業務の効率化や生産性の向上を実現していく方針である。
岩田地崎建設(株)執行役員 海外支店長 川合 武
『国際開発ジャーナル2022年8月号』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)
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