タザラ交差点改善計画(第一次~第三次)<無償資金協力>
コンサルティング:(株)オリエンタルコンサルタンツグローバル/(株)エイト日本技術開発
施工:三井住友建設(株)
タンザニア最大の経済都市であるダルエスサラーム市は、インド洋に面する天然の良港を持ち、同国内の幹線道路、鉄道、港湾など主要な交通システムの起点になっている。また、同国交通の要衝だけでなく、ダルエスサラーム港からザンビア、ウガンダなどの内陸国へと続く国際回廊の入口としても重要な位置にある。一方、近年は経済活動の活発化に伴い、自動車登録台数が急増(年率約7%)。幹線道路での交通渋滞は年々悪化し、同市とタンザニア全土、ひいては近隣諸国の経済活動を大きく阻害する要因になっていた。
状況の改善に向け、タンザニア政府から協力要請を受けた日本政府は国際協力機構(JICA)が実施した開発調査「ダルエスサラーム総合都市交通体系策定調査」(2007~08年)の提言などを踏まえ、無償資金協力による本計画の実施を決定したのである。
対象サイトのタザラ交差点は、港からの輸送上、最も重要な各幹線をつなぐ環状道路・ネルソンマンデラ道路と、国際空港と市内を結ぶ唯一の幹線道路で日系企業を含む工業地帯を擁するニエレレ道路が交差する最も混雑の激しいポイントだ。今回の協力では、同交差点におけるニエレレ道路の立体交差化(2車線×2橋整備)、同交差点と近隣交差点の信号機連動を含む交差点改良工事が行われた。
本計画は第一次から第三次まで実施され、第二次は上記工事のうち北側車線の市内行き跨道橋の橋面舗装、取付道路と街路道路の路盤・舗装、また第三次では跨道橋の上部工が協力対象となった。
竣工は2018年9月。現地で執り行われた開通式には、マグフリ大統領(当時)、吉田雅治駐タンザニア日本大使ら両国の要人多数が出席。同国初となる交差点立体化工事の竣工を祝った。
今回の立体交差化により、重要幹線道路の交通渋滞は大幅に改善されており、最大の経済都市・ダルエスサラーム市をはじめ、近隣諸国における経済活動の一層の活性化が期待されている。
『国際開発ジャーナル2022年8月号』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)
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