ガーナ 野口記念医学研究所先端感染症研究センター建設計画|海外の土木・建設プロジェクト

アフリカ

高度な感染症研究の拠点24時間体制のPCR検査でコロナ禍に挑む

千円札にも描かれた野口英世博士は、ガーナで黄熱病の研究に生涯をささげたことで知られる。1979年、野口博士の名を冠した研究施設「野口記念医学研究所」が、日本の政府開発援助(ODA)によって同国のガーナ大学内に設立された。日本はその後も支援を継続し、同研究所は西アフリカにおける感染症研究の拠点としてHIV/AIDS、マラリア、結核などの主要感染症の研究やワクチン開発に向けた基礎研究などのほか、エボラ出血熱においては国内唯一の検査機関としての機能を担うまでになっている。

施設全景

しかし、近年高度化した感染症課題への対応と、それに伴い増加する研究活動やガーナ国内外からのインターン受け入れにより、既存の施設スペースや研究機材の不足に直面していたことから、それらを改善しさらなる研究機能向上を目的とした「先端感染症研究センター」が2018年に竣工し、翌2019年に開所した。

バイオセーフティーレベル3(BSL-3)研究室

新施設は同研究所のウイルス学・細菌学・免疫学の3部門の研究機能から構成され、世界保健機関(WHO)の基準に基づいた2つのバイオセーフティーレベル3(BSL-3)研究室、研究の効率化と精度向上を目的とした3部門で共同利用可能なPCR検査室、セミナールームなどが計画され、高度な感染症研究と研究者育成を行うことが可能となっている。

PCR検査室

一般研究室

昨年から世界で猛威を振るう新型コロナウイルス対応としては、本施設がガーナ国内の最大8割のPCR検査を24時間体制で実施するなど重要な任務を果たしている。引き続きこの施設がガーナ国内はもとより、西アフリカ地域における感染症対策に貢献することが期待される。

PCR検査の準備をするスタッフ(JICA提供)

コンサルティング:(株)日本設計(株)フジタプランニング
施設建設:清水建設(株)

『国際開発ジャーナル2021年1月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

 

国際協力のキャリア相談

Follow me!

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました