マラウイ カムズ国際空港ターミナルビル拡張計画|海外の土木・建設プロジェクト

アフリカ

より使いやすく、より安全な空港へ

カムズ国際空港は、アフリカ南東部にあるマラウイの首都、リロングウェに位置する。1983年に日本の円借款によって開港し、年間約30万人が利用する空の玄関口だ。2025年には利用者数が46万2,000人に達すると見込まれているが、老朽化が進んでおり、ターミナルビルの拡張・改修と設備の増強が必要となった。

建設中のプロジェクト全景

そこで、マラウイ政府は厳しい財政状況を踏まえて日本に協力を要請し、15年11月、無償資金協力プロジェクトが始動した。これは、既存のターミナルビルの改修とともに新たに3棟のビルを増設し、旅客の収容能力を大幅に拡大するものだ。加えて、チェックインカウンターや保安検査場、手荷物引渡所なども拡充するほか、荷物検査用のX線装置や金属探知機、高所作業車など、空港内で必要となる最新の機材も導入・整備される。

起工式におけるムタリカ大統領の演説

さらに、航空レーダー(航空機監視システム)の整備と管制官の育成も見逃せない。カムズ国際空港の航空レーダーは、老朽化のため2000年ごろに運用を停止しており、以降はレーダーを使わずマニュアルでの航空管制が行われていた。そこで空港の拡張と同時に、航空機監視用の航空管制レーダーを設置し、技術協力プロジェクトによってレーダーを運用する管制官および技術者の育成にも取り組む予定だ。航空機の安全確保は、空港の運営に欠かせない。

シミュレーター操作による管制官育成の様子

マラウイ政府は、航空分野を同国の経済成長に資する運輸基盤と位置付けており、このプロジェクトに大きな期待を寄せている。プロジェクトは2019年に完了し、生まれ変わった空の玄関口がマラウイ側に引き渡される予定だ。

コンサルティング:(株)ジャイロス、(株)江平建築事務所、日本工営(株)共同企業体
施設建設:丸紅プロテックス(株)
機材調達:日本電気(株)

『国際開発ジャーナル2018年6月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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