ケニア |オルカリアⅠ 4・5号機発電事業|海外の土木・建設プロジェクト

アフリカ

地熱発電の未来を開く

ケニアでは、近年の経済成長に伴い、電力需要も毎年15%前後増えている。そのため水力や火力に次ぐ第3のエネルギーとして、地熱発電の開発が進められてきた。

地熱エネルギーは、一度開発すれば低コストで持続的に電力を生産でき、CO2の排出量も少ないという優れた利点がある。その一方で、開発段階では課題も多い。

メネンガイ掘削指導

地熱開発には、①地表調査、②試掘、③蒸気開発、④プラント建設、という4つの段階がある。このうち、①の地表調査には高度な技術を要するほか、②の試掘には1本あたり7~20億円の費用がかかるにも関わらず、地熱資源が見つかる可能性は50%前後に留まるなど、リスクが極めて大きいのだ。こうした課題に対し、ケニア政府は、地表調査から試掘までを政府が行い、④の発電プラント建設以降は入札で企業を選定する方式を打ち出した。この「ケニアモデル」は世界から大いに注目を集めている。

近年、日本はケニアの地熱開発を技術、資金の両面から支援してきた。円借款では、2015年1月に完工した「オルカリアⅠ 4・5号機地熱発電事業」に続き、2016年3月に「オルカリアⅤ地熱発電事業」が調印された。技術協力プロジェクトではメネンガイなどで「地熱開発のための能力向上プロジェクト」や「GDCの地熱開発戦略更新支援プロジェクト」を実施している。

メネンガイ蒸気開発

日本は地熱発電の分野において、地熱資源開発や発電タービンの製造などで世界をリードしている。国際協力機構(JICA)は、開発途上国における地熱発電の開発を積極的に支援していくほか、地熱開発に関わる人材の育成にも、オール・ジャパンの体制で注力していく方針だ。

コンサルティング:西日本技術開発(株)

『国際開発ジャーナル2016年8月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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