アゼルバイジャン|地方都市上下水道整備計画|海外の土木・建設プロジェクト

ヨーロッパ

経済の活性化をもたらす上下水道の整備

アゼルバイジャン共和国は、原油の輸出により1990年代後半には10%を超える高い経済成長率を維持し、首都バクーは大いに発展した。一方で、地方都市では経済発展が停滞し、1950年代から70年代に建設された水道施設は老朽化や自然災害などにより機能が低下し、給水サービスの質と量の著しい悪化をもたらしていた。地方都市における上下水道セクターの改善は国家の最優先課題の一つになっていた。

ハチマズ市の下水本管敷設工事

グサール市の導水管敷設工事

本事業は2011年より開始され、グサール、ハチマズ、ヒジ、ゴブスタン、ナフタランの地方5都市で上下水道施設の整備が実施されている。2030年の計画給水人口12万6,485人の水需要量である29,642㎥/日の安全な水の供給が本事業によって可能となる。また新たに整備される下水道配管および下水処理場により生活環境が改善されるとともに、停滞していた地方経済の活性化にもつながるものと期待される。さらに、全顧客に水道メータを設置することによって水道料金が適切に徴収され、事業運営の持続性が高まる。

グサール市の橋梁部での推進工事

ナフタラン市で建設中の下水処理場 (3000m3/日)

18年までに、対象5都市の取水施設(伏流水、湧水、地下水)、浄水場(逆浸透膜、3,800㎥/日)、上水道配管(479.8㎞)、水道メータ(21,588個)、下水道配管(360.8㎞)が完成し、19年7月現在、下水処理場(5処理場、合計26,850㎥/日)の建設が進められている。このうち、ゴブスタン市では水源に含まれる硫化物およびホウ素を除去するために日本製の逆浸透膜を採用した浄水場が建設された。また、現在建設中の下水処理場では、長時間曝気(ばっき)活性汚泥処理法が採用されており、環境水質基準を満たした処理水が放流される。

ゴブスタン市の逆浸透膜処理場 (3800m3/日)

ゴブスタン市竣工式典における 駐アゼルバイジャン香取照幸特命全権大使 (2017年11月)

コンサルティング:(株)TECインターナショナル

『国際開発ジャーナル2019年8月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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