変電・配電設備を整備し電力供給の安定化と経済発展に貢献
近年、順調に経済成長を遂げているルワンダ。しかし、他の東アフリカ地域の国々と比較して同国民一人当たりの電力消費量は低く、また全消費エネルギーのうち84%が薪炭など旧来のバイオ燃料によって賄われているのが現状である。
一方、首都キガリを中心に、経済成長に伴う急速な電力需要の増加が見られるものの、変電・配電設備への投資が十分ではないため電力供給は不安定で、経済活動や人々の日常生活の向上に深刻な影響を及ぼしている。
本プロジェクトは、キガリ市において変電所とそれに付随する配電設備を整備・拡充し、電力供給の安定化を目的に実施されている。国際協力機構(JICA)の協力準備調査は八千代エンジニヤリングと西日本技術開発の共同企業体に委託され、調査団は2017年5月から2018年2月までルワンダの政府関係者と協議を行うと共に、計画対象地域における現地踏査を実施した。
本プロジェクトにより変電所や配電線を新設することで、既存の変電所への供給依存度の軽減、また供給の安定化や送配電ロスのリスク緩和が期待される。
2018年9月には署名式が行われ、ルワンダのンダギジマナ財務・経済計画大臣は「国の電力消費量の64%を占めるキガリの電力の安定供給は国の経済発展にとって非常に重要である。日本の支援に心から感謝する」と述べた。
日本政府はこれまでに二次にわたる無償資金協力を実施し、キガリ市と近隣地域の電力網を整備。第三次案件となる本プロジェクトにより、キガリ市内全域をカバーし当面の電力需要に対応できる配電網が整備される。
安定した電力供給による同国の開発計画やエネルギー政策の実現、国民の生活向上は、今後の日本・ルワンダ両国関係のさらなる発展に寄与するだろう。
コンサルティング:八千代エンジニヤリング(株)・西日本技術開発(株)
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『国際開発ジャーナル2023年12月号』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)