スリランカ 連続テロ事件、コロナ禍の悪条件下、スリランカ初の都市連続高架橋を建設|海外の土木・建設プロジェクト

南アジア
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ケラニ河新橋建設事業〈有償資金協力(STEP)〉

コンサルティング:(株)オリエンタルコンサルタンツグローバル(株)片平エンジニアリング・インターナショナル
施工:JFEエンジニアリング(株)三井E&Sホールディングス戸田建設(株)共同企業体

本工事は,スリランカの経済的な中心都市であるコロンボ中心街と第2の都市キャンディーを結ぶ国道,コロンボ港アクセス道路およびバンダラナイケ国際空港に繋がる国道に接続する交通の要衝において、交通渋滞の解決を目的として新たなバイパス道路を現道と平行に新設するものであり、政府開発援助(ODA)によるSTEP適用案件として実施された。

本工事の橋梁はジャンクションを配置して3方向の都市内道路を連続高架橋で連結するスリランカで初めての道路事業である。現道交通への影響を最小限にするように道路線形が選定され,ジャンクションおよび現道上を通過する区間については施工期間の短縮を目的に上下部工は鋼製ラーメン橋脚と鋼箱桁橋で構成され、床版には本邦技術となる鋼コンクリート合成床版(当社製:リバーデッキ)が採用された。また鋼製橋脚と鋼桁の一部に橋梁用高性能鋼材(SBHS500)が採用された。

鋼製ラーメン橋脚17基鋼箱桁21橋(合計21,200t)を短工期で製作・架設を行う必要があることから、製作は日本、ミャンマー、ベトナム、タイの4カ国5工場で分担しておこなった。架設については架橋地点が主要幹線道路上であるため、完全通行止めが不可能であり、部分規制も交通量の少ない夜間に限定的な交通規制を行い、施工手順に留意して施工した。2017年12月に着工した本工事は、連続テロ事件やコロナ禍といった幾度の困難を乗り越えながらも2021年11月には開通式が盛大に開催され開通した。本事業の完成により、コロンボ市内の交通の分散化と慢性的な交通渋滞が改善し、同国の経済発展に大きく寄与することが期待される。

寄稿:JFEエンジニアリング(株) 菅原 篤

 

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『国際開発ジャーナル2023年3月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

 

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