老朽化した発電機や架線を更新し 島内の電力需要に対応する
コスラエ州は、大洋州の島嶼国ミクロネシア連邦の東端にあり、人口は約 6,600人、面積は約 110 ㎢である。
コスラエ島のトフォル発電所には運転可能なディーゼル発電機が3台あるが、老朽化や故障による計画停電などが頻発していた。また、レラ島への電力供給は木柱を使用した架空線で配電されており、40年近く運用されているので劣化が著しく、安定した電力供給ができなかった。
その結果、同州の住民の生活環境、観光産業や空港の円滑な運営にも支障が出ていた。加えて、コスラエ島では2015年以降、工場など電力を大量に消費する施設の新設が予定されており、もはや老朽化した発電機や架線、ケーブルを放置するわけにはいかなかった。
本計画では、まず2基の発電機を更新し、同じく老朽化が進んでいた発電所の建屋も新築した。その結果、安定した電力供給が可能となり、年間の停電回数も大幅に減少する見込みだ。
本計画では発電所の新築と共に、 人口密度が高いレラ島の配電設備を更新し、空港へ伸びる2本の地 中ケーブルも更新した。同州の物流を支える空港施設や、同州の各家庭、工場、港湾などに電力が安定的に供給されれば、住民の生活環境が大きく向上することになる。
2019年3月27日、現地で引き渡し式が行われ、同州知事や日本大使が列席。ヨシヲ・パリクン・ ジョージ副大統領が発電機を起動 した。
コンサルティング:八千代エンジニヤリング(株)
機材調達:南洋貿易(株)、東芝プラントシステム(株)
『国際開発ジャーナル2020年12月号』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)
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