ラオス|タケク上水道拡張計画|海外の土木・建設プロジェクト

南アジア

要衝地の上水道を抜本改善

新設の浄水場   

政府は現在、2020年までに都市部の人口の80%が24時間給水を享受できるようになることを目指し、上水道の整備を進めている。例えば中部カムアン県の県都であるタケク郡は、全国で5番目の人口規模を誇る(約8万6,000人、2010年)が、給水普及率は人口の5割に留まるなど、地方都市を中心に給水の普及には課題も多い。当初、タケク郡では、欧州連合(EU)が建設した井戸を水源に活用していたが、水質悪化と水量不足が深刻化したため、緊急措置として、メコン河を水源とする浄水場が建設された。しかし近年は、その浄水場も錆や腐食によって漏水が発生するなど、安全性が危惧されつつある上、配水管路も不足し、上水道の普及率がなかなか改善されない状況が続いている。タイやベトナムとラオスをつなぐ交通路の要衝にあり、今後の経済発展と人口増が見込まれる同郡の上水道整備は、喫緊の課題だ。

コンクリートの打設

配水管の敷設

今回の協力では、①取水施設の新設(取水井、取水ポンプ設備、管理室)、②浄水施設の新設(着水井、混和池、フロック形成池、沈殿池、急速ろ過池、薬品注入設備、浄水池、送水ポンプ室、管理棟など)、③導水・送水・配水施設の新設・改良・敷設(高架水槽2基の新設、既存配水池の改良、導水管・送水管・配水管の敷設)などが実施された。さらに、完成後も浄水場が適切に運営されるよう、耐久性の高い水質検査機器が供与されるとともに、維持管理に携わる職員の研修も行われている。

竣工式:水道局員による運転

この協力により、タケク郡の都市部の給水普及率が80%に向上するとともに、衛生的な水道水が安定的に供給され、住民の生活環境が改善されることが期待される。

高架水槽

コンサルティング:(株)日水コン
施設建設:(株)安藤・間

『国際開発ジャーナル2017年4月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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